「申し訳ありません。全部に目を通してから署名してもかまいませんか?分からない内容に署名したくありませんので…」
しっかりとした口調で言った佳子。斉藤の返事を聞いて書類を読んだ。
極秘事項に関する諸注意や確認、他言無用ということだった。特に内容に不利益な事は無かった。
「これなんですが主人や家族には言っても大丈夫ですよね?」
斉藤に確認した。
「そーですね、パートナーには言ってもいいと思いますが…あまりお勧めしませんけどね。」
ちょっと気になったが、斉藤の丁寧な対応に安心していたので署名した。
「では、これで関係者となったので別室にて健康器具について説明します。少し驚くかもしれませんが私は何もしませんから安心してくださいね」
そう言って例の立入禁止の部屋に案内された。
「あっ、きゃーっ!?」
叫んで腰を抜かした佳子を見て笑う斉藤。助けようと佳子に手を差し出す。手を掴んで支えてもらいながら中央のベッドに座った。大きく深呼吸して落ち着いたところで
「なんなんですか?この部屋はいったい!?」
やっと言葉になった。鼓動は早まったままだ。
「ここで器具を試してもらってるんですよ。アダルトグッズもありますが普通の杖やフットバスなんかもありますよ。」
斉藤はいつも通り落ち着いて話している。佳子の背中を優しく撫でる。
「大丈夫ですよ。何もしません。もちろんエッチな事なんてしませんから?して欲しかったらしますけどね?」
ポンッと背中を叩いた。ビクンと体を固くして緊張する佳子。
「嘘です!大丈夫!」
佳子から離れて笑っている斉藤を見て、からかっていると分かった。
「斉藤さん、いい加減にして下さい!本当に変なモノは使わなくていいんですね?」
「へんなモノ?ここにあるモノは全て健康器具ですよ。アダルトグッズも性感健康器具ですから」
「そんな話は聞いてませんから!知りません!」
キッパリ言って部屋を出ようとする佳子の腕を掴んだ斉藤。
「佳子さん!でも今まで通り働いてもらえるんですよね?」
真剣な顔で問いかけた
「あのー制服は…」
ボソッと言った言葉に吹き出して笑う斉藤。
「メイド服?もちろん着てていいですよ!」
「着たくないから言ってるんです!ふざけないで下さい。それから腕も放して下さい!」
「放しません。僕と付き合ってくれるまでは絶対に放しません!!」
「何を言ってるんですか?」
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