忘れていたが、今日は色ボケ女の仕事の日だった。山口がメモをグシャグシャにしながら部屋に入って来た。
最近、全くヤル気の無かった斉藤と違い、相変わらずノリノリで色ボケ女の段取りする山口。
「まいったなぁ~バイト君、ドタキャンだよ!」
「誰か居ないのか?」
「ん?」
山口が思わず聞き返したのは斉藤の言葉に驚いたからだった。
「バイト探し手伝ってくれるのか?」
山口が改めて聞くと斉藤は真顔で言った。
「探しちゃ悪いか?」
「いや、助かるよ。お前が相手するなら、もっと助かるけどな!」
ニヤッと笑う山口。
「たまには働くか…」
まっすぐ両腕を上に伸ばしながら言う斉藤。
「マジか!?」
ビックリする山口。
「お前、今日どうした?大丈夫か?死ぬのか?」
頭や腰やお尻やお腹やおでこ等々…体のあらゆる場所を触りながら斉藤の様子を調べる。
「何すんだよ!気持ち悪りぃなぁ~!!」
山口から逃げる斉藤。
「お前、なんかあっただろ?今日へんだぞ!」
斉藤に詰め寄る。
「まだ何も無いさ…」
山口を退けて言うと興味深々で聞いてくる。
「まだって何だ?」
「たぶん明日、あのオバサン来るよ。」
と余裕な含み笑いをしながら斉藤が言った。
「何したんだよ?」
「電話しただけさ」
「ふぅーん。お気に入りのオバサン復活かぁ。よかったなぁ!」
斉藤の肩をポンッと叩いた山口だったが
「でも、お前!あのオバサンに試してもらえんのか?ちゃんと愛人の仕事をしてもらわないと困るからな!」
強い口調で斉藤に釘を差した。すると斉藤はニヤニヤしている。
「いい考えがあるんだ。まぁ、みてろって!」
「なんだよ!教えてくれないのかよ!チェッ」
舌打ちして残念がる山口だった。
「だから今夜は働いてやるよ!スキモノの相手なんて嫌だけどな…」
「ちゃんと最後まで覗いてやるよ!」
「この変態!」
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