突然、名前で呼ばれてびっくりした。斉藤は大笑いしている。
「家政婦のオバサンをからかって遊ぶのは、やめて下さい!」
斉藤をキッチンから追い出した。冷蔵庫をみると食材がたくさん詰まっていた。時計を見ると正午の20分前だった。
真新しいキッチンを物色し、いつの間にか鼻歌を歌いながら親子丼とお新香とお味噌汁を作った。こんなキッチンでお料理できるなんて幸せだと思うほど設備もよく、調理器具も揃っていた。
タイミングぴったりに斉藤が横のテーブルに座った。お茶と昼食を斉藤の前に運び後片付けをした。
「佳子さんも一緒に食べましょう。お弁当あるんでしょ?持ってきて下さいよ!」
斉藤に声をかけられた。
「私も一緒でいいんですか?」
「もちろんです。2人しか居ませんし。」
斉藤は笑顔に手招きする。控え室で食べようと思っていたお弁当を持ってきて、自分のぶんのお茶を入れて斉藤の向かいに座った。
「お昼休みですから、気を使わずに休んで下さい。親子丼、美味しいですよ。」
私の作った昼食を美味しそうに食べる斉藤を見て、ホッとしながら自分もお弁当を食べた。
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