細々とやっていければいいと思ったが地元でもそれなりに有名なパン屋になってしまった
調理は二人で
私も料理は得意だったし
夫も不器用ではなかったからすぐに習得できた
連日、色んなお客さんが来てくれる
楽しい日々だ
ある日
いつものように仕事をしていた
今日は客足が少ないようだな
雨が降っている。
気温や天候によって生地を仕込む時配合を少し変えたりしてる
やるからには徹底的に
からんからん
入り口の鈴が鳴る
絹のようにつやつやな長い髪のものすごい美しい女性が入ってきた
その後ろに続いて
ものすごく美形な男の子
なんて美男美女・・・
思わず見とれてしまう
二人はきょろきょろとパンを見た後、私にところ寄ってきた
「あ、失礼します。私、こういう者なのですが」
名刺を出された
有村彩花・・・
どこかで聞いた事があるような
美しいお嬢さんは微笑んだ
「フリーの記者なんですが・・・・・えっと、街角の隠れた名店という特集記事を書くんですが・・ちょっと取材よろしいですか?」
「あ、え・・」
どうしよ・・・
いきなりだし・・・
「あ、どうぞー」
振り向くと
夫がにこやかに笑っていた
こいつ・・・エロい目しやがって
彩花さんの胸に目がいってる
「わ、ありがとうございます」
ま、いいか
特集を読んでくれたらお客さんがたくさん着てくれるだろうし
「瑞希くん!取材するよん」
「ん、はい」
テレビでも見たことないような美男
何歳かな?
ちょっと影のあるクールな感じの男の子
雰囲気が凛としてるしかっこいい・・・・けどすごくかわいい顔してる
二人ともモデルみたいだ
お茶を出してパンを食べてもらった
二人が一口食べて微笑む
「これは美味しい、、」
「びっくり、、、」
彩花さんがボイスレコーダーの電源を入れた
「えと、海外で修行されたのですか?」
「いえ、素人からはじめました」
「ほうほう」
あの男の子はカメラでパンを撮影して夫が付き添ってパンの説明をしている
しばらく取材を受けた
「ふい、いいお店ですね」
「ありがとうございます、、・・・・あの」
「ん?はい?」
はにかむ彼女
どこかで見たような
「あ、あの、テレビに出た事とかは」
「ありますよ!」
有村彩花・・・思い出した
数々の賞を取り活躍した日本を代表する写真家
今は・・・なぜ記者になっているんだろう
あの男の子は助手かな?
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