御山くんは腰を落とそうとする私を優しくはねのけた
手首をつかんで押し倒された
「姉さん・・・なの?」
「わかんない、、」
「偶然・・・だよ、きっと」
「わかんない、、」
「俺・・・姉さんとえっちしてたなんて・・・はは、そんなのないよな」
「わかんない・・・わかんないよ、、」
御山くんはひとつため息を吐いて私を抱き締め胸に顔を埋めた
「姉さん・・・」
「・・うん、、
なんで言ってしまったんだろ
確証なんかないのに、、
御山くんとは結局なにもせずにホテルを出た
「薫、髪の毛一本もらうよ」
「へ?」
「鑑定してもらうんだ」
「・・・姉弟だったらどうするの?」
御山くんはうつむいた
しばらく黙って私を抱き締め耳元でささやいた
「・・・どうしようもないよ、止めるしかない」
「御山くん・・・」
「貴女が愛しい・・・でも姉さんだったら・・」
「他人だったら・・・抱いてくれる?」
御山くんは苦笑した
「不安定な関係はやだなぁ」
「・・あなたがほしいの」
「薫、だめ、、、」
「また、、会お?」
「結果次第だよ、、」
彼と別れて
夕方
舞を迎えに行く
送迎バスから降りてきた舞を抱き締める
さっきの自分が怖い
御山くんが結婚すると聞いて、奪われたくないと思ってしまったのか
弟かもしれない
姉弟なら逃げられないだろうって思ったから
あんな事言ったのかも
夕貴が帰ってきて三人で夕飯を食べる
舞が今日あった事を私と夕貴に話してくれる
かわいい娘、、、
この子がいるのに
私はまた不倫をしようとしている
なんてふしだらな女なの・・・・
夕飯の後、舞を寝かせてから夕貴と寄り添う
今も昔も仲良しだ
「薫、もう一人ほしい?」
「ん・・うーん、わかんない」
「男の子もほしいなぁ」
夕貴が私の服の間から手を入れてくる
私はそっと避けた
「ごめん・・・」
「いいよ、今はそんな気分じゃないんだね」
「寝よ・・舞が起きちゃうし」
「うん・・・」
夕貴とは舞が生まれてから・・・してない
なんだかそんな気分にならない
数週間後
またあの本屋でうろうろしていた
御山くんは電話番号も住所も変えたから
連絡する手段がなかった
もしかしたらまた会えるかもって・・期待しながら、雑誌をめくる
「お茶しません?」
振り向くと彼がいた
「へへ、また会ったね」
「うん、、、」
「近くにおいしいケーキバイキングのお店があるんだ、行こ?姉さん」
「え?」
御山くんは苦笑してうなずく
「これからは姉弟としてよろしくね」
御山くんは微笑んだ
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