前に小説を読んでいて頭に残っていたセリフ
「人はね、やっぱり動物なの、本能で恋をする時があるの、それは理屈じゃないの、すべての感覚が反応してその人を受け入れたいって時があるの
その時、独り身ならいいけれど
誰かと愛の契約を交わした後ならものすごい煩悩に悩まされる
壊すのが嫌ならそこから離れるしかないの
気持ちがすべて持っていかれる前にね」
いや・・・考えすぎだ
私はそんな三流小説のセリフ信じない
科学的に解明されてもないでしょうし
本能で恋なんてあるわけない
人間は理性的な生き物だし
夕貴にべったりくっつくようになった
私には彼しかいないのよ
彼以外いないの
「薫、どしたの?、、」
「ん?好きだからくっつくの」
「はは、かわいいなぁ、、」
職場では御山君をなるべく気にしないようにした
もう仲良くしない
顔を合わせたくい
既婚の女に告白するなんて頭がおかしい
きっと下心があって告白してきたんだ
人妻と浮気したら興奮するからって
残業中、二人きり、彼が視界のすみに入るだけでドキドキしてしまう
「薫先輩、あの」
「・・・・なに?」
「昨日はすみませんでした」
「・・・二度と話しかけないで」
「はい・・・すみません」
御山君はがっくり落ち込んでカバンをつかんで退社しようとした
私は携帯を取り出して電話帳を開いて彼のアドレスを消そうとした
削除のボタン
押せば消える
でも指が動かない
押させてくれない
どうして?どうして動かないの?
大きくため息をついて携帯をしまった
彼には普通に接しよう
冷たくしてかわいそうだし・・・二度と話さないでなんてひどい事いっちゃったし
御山君を追いかけて
彼の腕をつかんで引き留めた
「先輩・・・」
「ごめん・・」
「・・・貴女の恋人にはなれません」
「・・・・え?」
「だから、仕事で頼りになる最高の相棒になるって決めました!それが僕の貴女への愛情です」
御山君は照れ笑いをしてうつむいた
どうしよ・・・この子
好き・・・私、この子好きだ
でも・・・旦那さんがいる
ダメ・・・ダメ
「期待しとくね」
「はいっ・・・」
「よし・・・仲直りに飲みに行くか!」
「え?またですか?」
「前におごり逃げされたからね、これからは割り勘だよ」
「はい!」
うまくコントロールしないと傾いて崩れてしまいそう
夕貴は私の大好きな心の帰る場所
夕貴より穏やかな時間をすごせる人なんていない
・・・・確信はない
正直・・揺らいでる
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