暗い話されても平気な性格だから聞いてあげた
お姉さんは交通事故でなくなったらしい
「まー、今は姉さんのおかげで立派になれたんで、もっともっと立派にならないと」
「私より早く出世すんなよー?」
「はは、、年上の人から好意持たれるの多いのは姉さんと育ったからかな?」
「甘え上手なんでしょ」
「甘えませんてー、、なんでかなー、付き合ってた彼女も年上だったし」
「ん?なんで過去形?」
「別れました」
「へー?大事にしてたのに?」
御山君は私をまっすぐ見て言った
「好きな人ができたんです」
それにドキッとしてしまった
なんだろ、これ・・・
この感覚は初めてだ・・・
自分の心音が聞こえてしまうくらいドキドキしてる
「振り向いてくれる人じゃないですし、手を出してはいけない人ですけど彼女に悪いから・・・」
「そ、そっか・・・」
「・・・・」
「・・・・・か、帰ろうかな」
「ですね、今日は俺がおごりますよ」
「いいって!、、私が・・」
御山君はニコッと笑った
「たまには男らしい所披露させてください」
店を出て帰宅する手段をバスかタクシーかで迷う
いつもなら・・・
けど、今はなんだか別のものに迷うというか戸惑っている
このドキドキはなんで・・・夕貴といてもこうはならない
人気のない公園の近くを通りかかる
「薫先輩」
「ん?な、なに?、、」
「好きです」
「へ、、、?」
御山君が私の腕をつかんで抱き寄せてきた
「ごめんなさい、我慢できなくて」
「あ、、、え?、、、ええっ?、、」
キョドってる自分にビックリした
こいう場面は過去に何度もあった
私は冷静に突っぱねて丁寧にお断りできたのに
「貴女が好きです」
御山君がもう一度そう言って
グラッときてしまう
「でも貴女には旦那さんがいますし、、、片想いだけ、させてください!」
「だ、だだ、、、、ダメっ!」
突き飛ばして、走って逃げて
タクシーを捕まえて帰宅して
玄関のドアを閉めて
脚から崩れ落ちた
息が荒くなって心臓が激しくドキドキしている
これ、普通じゃないよ
彼がかっこいいから?
顔がいい男には何度も言い寄られた、ちがう
なんで?なんで?
私、どうしちゃったんだろ?
しばらく立てなくて座ったまま
水を一杯飲んで大きく息を吐いた
夕貴はまだ仕事で帰宅しない
どうしよう、、胸がざわついてしまう
明日、どんな顔してればいいんだろ・・・・、、、、
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