震える手を抑えながら妊娠検査薬をつかう
アフターピル飲もうとしたけど、間に合わなくて・・・
ずっとずっと怖くてしかたなかった
結果・・・どうなの?
恐る恐る見た
妊娠・・・してない
トイレから出てその場に崩れ落ちるように座る
あんなクソガキに孕まされるなんて・・・もう、嫌・・・
でも・・でも
体が求めるの
頭と真逆で
どんどん彼をほしくなるの
私・・・どうしたら・・・
私の頭がオーバーヒートして何かがガラガラと壊れた
あるひとつの考えを実行に移そうと決めた
ホームセンターに寄ってから御山君を迎えにいく
アパートの前で彼が手を振って微笑んでいる
車に乗り込んできた
私はため息をひとつついてから彼を見た
「妊娠しました?」
「大丈夫だった」
「へー、よかったね」
「・・・ちょっと付き合ってほしいんだ」
「あー、デート?いいですよ」
郊外の山奥まできた
もう夕方だ
ちょうどいい
人気のないところで車を止めた
御山君はキョロキョロとまわりを見渡し首をかしげた
「なんですか?ここ?」
私はバックから必要な道具を取り出した
真新しい包丁とノコギリ
ごみ袋にスコップ
キラッと光る包丁を御山君に向ける
御山君は私を見てかたまった
「もう終わりにする」
「はは、、まじかよ」
「しね!消えろ!」
包丁を突きだし彼に体当たりをする
彼は避けた
手慣れたように・・・
次は・・・当てる
息が乱れる
私、人をころそうとしてる・・・
こいつさえいなければ・・私は・・夕貴も仕事も失わない
こいつさえいなければ!
受け入れたのは私なのに
って・・・頭にはなかった
御山君はこの状況でもヘラヘラ笑ってる
振り回して御山君の腕を軽く切った
「っ!」
御山君はその場に座りこむ
「しね・・・」
御山君は私を見て笑った
なんなの・・・こいつ
「はは・・・父さんと母さんみたい」
すごく悲しそうな顔をして腕をひろげる
「いいよ、先輩にならころされてもいいよ」
彼のなんとも言えない切ない顔を見て
私の中の殺意が一瞬にして消え去った
その場に崩れ落ちて泣いてしまった
私はなんて事・・・
御山君が抱き締めて背中を撫でてくれた
「俺、ああいうの慣れてるから、、うまく避けてたでしょ?かっこよかった?」
「ばか、、、しね、、、ごめんなさい、、」
「ま、好きな人にならころされてもよかったけど」
彼はへらへら笑ってる
しばらくそのまま抱き合ったまま
日が暮れた
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