御山君と体を重ね、疲れ果てて
眠りについた・・・
結婚してから他人の家に泊まったのは始めてだ
夜中に目が覚めた
目をこすって枕元の時計に手を・・・
あぁ、ここ、夕貴と私の家じゃないんだった
どっと押し寄せる罪悪感
胸がキュッと絞まる感じ
痛い・・・
御山君はどこだろうか
そんなに広い部屋じゃないけど・・・
出掛けたかな?
隣の部屋を見ると
ベランダに寄りかかり
頬杖をついて月を見ている
すごくきれいで
すごくうつくしい
どうしてあんなに色っぽいんだろう
男の子なのに
「あ、先輩・・・」
こちらに気づくとニコッと笑った
さっきまでの罪悪感が消えて、愛しい気持ちになる
我ながら女ってややこしい生き物だな
「なにしてんの?」
「ん・・・月を見てました」
「・・・きれいね」
満月だ、真ん丸ですごくきれい
「先輩のほうがきれいですよ」
「・・・ったく、、」
「へへ、、」
御山君は笑って私の髪を撫でた
「姉さんみたいにきれいな髪、、」
「お姉さん、どんな人だったの?」
「絵に書いたような優しい人でした」
御山君は切ない顔をしてまた月を見た
「姉さんが好きでした」
「・・・・まさか?」
「先輩の考えてるようなインモラルな好意はないですよー?へんたーぃ、、」
「うっさい、、」
御山君は私の胸にこつんと頭を預けた
「心の拠り所でした・・・ずっと二人で暮らして、二人で生きてきましたから」
ドキドキしてしまう
やっぱりこの子には何か惹き付けられてしまう
「先輩・・」
「なに?、、」
「俺・・どこにいたらいんでしょう?」
「は?、、」
「どこに帰ったらいいんでしょうか・・」
「・・・知らないよ」
「ですよね・・・」
この子と・・・どうしたらいいんだろう
浮気だよ、浮気・・・ただの体だけの関係
本気になんか・・・ならないしなっちゃダメだし
「先輩が好きです」
はっきりそう言われると心が揺れる
彼になにかしてあげたくなる
「でも・・・結婚してますからね」
「・・・そうよ」
「先輩・・・」
「ん?」
「・・・抱き締めてください・・貴女の胸で眠りたいです」
なんだか・・・小学生と話しているみたいだ
なんなんだ・・・この子は
御山君を抱き締めて頭を撫でる
「・・・落ち着く?」
「はい・・先輩の心臓の音聞くと落ち着きます」
「・・・そっか」
無責任なクソガキだけど
なんだか愛しい
翌朝、早めに帰って仕事に行く用意をした
はぁ・・・やはりここに帰ると胸が痛くなる
いい歳して、若い男の子と浮気・・・
始まってもうすぐ二ヶ月
どうしよう
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