「普段、宮崎でも外食はせんし。昨日迄アパートで崇の夕食作っとったとよ。」
「ここは、僕が給料日だけ来る特別のお店なんですよ。中華街に、本店があって凄く美味しいんですよ。」
こんな会話を交わしながら、店員が案内してくれた店内の真ん中にある二人用の席についた。周囲は、カップルの若い男女とサラリーマン数名の会社帰り等が圧倒的で、辛うじてちらほらとサラリーマンのお一人様が、ビールをチビりチビりやりながら、単品の料理に箸をつけている。
オバサンと会わなければ、俺もこんな孤独なサラリーマン達と同様、一人寂しく食事をとっていたことだろう。だが、図々しい俺は、ショウコウ酒を飲みながら、お一人様を逆に楽しんでいたりするのが常だった。
「ごめんなさいね。こんなオバサンに気を使ってもらって。貴方だったら、いくらでも若くて綺麗な子と来たいでしょうに。」
その大きな眼をパチパチさせながら、申し訳なさそうに、俺の眼を覗き込むように見た。よく見ると南国的な顔立ちだが、色白美人と言っても良い。
アクの強い宮崎アクセントや洗練されていない身のこなしが、逆に生身の女を感じさせる。
というか保子オバサンの濃い陰毛や卑猥な女性器迄も連想させるから不思議だ。不謹慎にも、俺は、オバサンの下着やパンティの中身を想像していた。
「そんなことないですよ。今日は、久しぶりにお会い出来て嬉しい限りですよ。どうぞおば様も楽しんで下さい。僕は、若い子より熟女が大好きなんですよ。」
そんな妄想は、おくびにも出さず、時折白いブラウスの胸元に視線を送ったりしながら。さりげなく周波を送ることも忘れなかった。
「さて、どうですか?ここのお勧めは、中華ライトコースAってやつで、軽めで女性にも人気なんですよ。良かったら、ビールは、如何ですか?」
「いただくわ。晋司さんに任せるけん。うーん。でもいつの間に、晋司さんはこげな紳士になったちゃろか?」
保子オバサンが、眩しそうに俺を見た。周囲から見たらどうみても母親と息子に見えるだろう。それも田舎から出て来た親子といったところか。
この後、ショウコウ酒も入り、すっかり俺に打ち解けてくれたオバサンとの会話は、一気に弾み始めた。
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