私は、妻が帰った後、すぐにネットで調べた最寄りの探偵社に電話をして、出張相談の予約をとりました。そして、翌日、
病院を訪れた探偵員におよその事情を話し、妻の身辺調査を依頼しました。とりあえず、1週間、特に妻の携帯に謎の着信が
あった、火曜・木曜を中心に調査してもらうことにしました。私にとって調査結果が出る1週間は、もの凄く長く感じました。
そして、翌週の金曜日、探偵員は調査結果を持って病院を訪れました。あらかじめ、この日は妻を早く返し、午後7時に
面会室で私は調査結果の説明を受けたのです。
「残念ながら、ご主人のご心配の通り、奥様は、どうやら特定の男性とお付き合いをしているようです」
「いったい、相手は誰です?」
「ご存じかどうかわかりませんが、○○屋という食堂の店主のようです。」
探偵員は見覚えのある食堂の写真を見せながら、言いました。覚悟していたとはいえ、その現実を改めてつきつけられると、
ショックと怒りからカラダが震え出しました。
「奥様は、今週の火曜日と木曜日は、二度とも○○屋を9時頃訪れ、それから約5時間ほど、そこに滞在しています。」
探偵員が、アルバムをめくると、妻が食堂に入る写真が出てきました。さらに、食堂を出てくる写真も・・・その写真には
妻と、そのとなりに寄り添うように立つもう一人の男、萩原の姿がはっきりと写っていました。しかも、そのうちの一枚は、
萩原が妻の腰に手をまわしている様子がはっきりと見て取れるものでした。特段、妻は嫌がっているふうでもなく、そのまま、
妻は駐車場に停めてあった車の助手席に乗り込みました。運転席には萩原が乗り込みます。おそらく、妻は私の病院まで、
こうして萩原に毎回、送ってもらっていたのでしょう。さらに、次の写真は病院の駐車場に到着した時の様子でしたが、車内の
様子が望遠で撮影されていました。数枚の連続写真・・・そこに写っていたのは、妻と萩原のあつい抱擁とキスシーンでした。
私は、怒りから顔が火照ってきました。
「ご覧の通り、二人がすでに男女の関係になっていかるかどうかの確たる証拠をつかむところまでは至っていませんが、もう
かなり親密な関係であることはまちがいないと思われます。いつから、こういう関係になったのか、また現在、どこまでの関係
なのか、もし、調査継続のご依頼があれば行いますが、どういたしましょうか?」
「いや、もう・・・十分です。ありがとうございました。」
「差し出がましいようですが、ご主人は、この萩原という男のことをご存じですか?」
「いえ・・・」
「そうですか・・・一応、簡単ですが、当社で調べてみたところ、年齢は現在、52歳、昨年、他界した妻と二人で、この店を
切り盛りしていたようですが、ここ最近は、昼の営業は月、水、金の週3日にして、主に夜の居酒屋をメインに営業している
ようです。また、この男の経歴ですが、現在は足を洗ったようですが、昔は、暴力団○○組の組員として活動し、前科もあり
ます。もし、今後、奥様とのことでもめたり、困ったりしたら、一度、当社にご相談下さい。このような事例に対応できる
弁護士のツテがありますので ・・・」
「・・・ありがとうございます・・・」
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