初めてかもしれない、土曜日の午後、いつもの昼カラに行った。
何とスタンドは、女性でいっぱい。 5~6人居るだろうか。 奥の端にいつも見る男性が一人、窮屈そうにすらっていた。
私がはいって来て、彼はホットしたような顔をした。
私は、このスナックのたったひとつのボックス席へ、ママが座るように言う。
私はスタンドに座っている、広い年代の女性たちの後姿を、拝ませて貰う。 残念なことにお尻は、背もたれで見えない。
やはり若い娘の歌は付いていけず、同年代と思しき人の歌には自然と、調子を合わす手に力が入る。
時間も過ぎ、私もアルコールが入り、同年代の女性とのデュエットも2~3回お願いができた。
お終いには、お互いに腰を抱くようにして、みんなに嫉妬じみたブーイングを浴びる。 しかし、このブ―イングは気持ちの良い物である。
女性たちが帰ることになり、同年代の女性が私のそばに寄って来て「また よろしく」と言いながら、紙切れを渡された。
トイレに行き、紙切れを拡げると、想像してた通り携帯の番号とメアドが書かれていた。
ガランと空いたスタンドの椅子に、座り直しまた飲み直す。
彼がトイレに行くと、すかさずママが寄ってきた。
「彼女から 何か もらった?」
「いやあー」
「そう それならいいんだけど
彼女 町子というのよ
大事に してやってね」
敏感なママのことである、何もかも知っているんだろう。
※元投稿はこちら >>