恵美は違法風俗の谷間に身を置いていた。
関わる人々は限られたので都合が良かった。
連日、常連客は恵美を指名しその熟れた美しい体を堪能していった。
「瑠美さんご指名が入りました!」
恵美が部屋に入る。
「いらっしゃいませ…」と見上げた。
「恵美!」
慌てて見ると、恵美は愕然とした。
目の前に現れたのは夫の尚治だった。
事件から暫くし離婚。
それ以来尚治とは会っていない。
「どちら様ですか?」と恵美はそ知らぬ顔で話した。
「お前…探したぞ」
尚治は話すが「お客さん?誰かと間違えてます?」と恵美はとぼけ、「お体洗います」と上着を脱がしていく。
「帰ろう…」と言われたが恵美は無視して背広を脱がしていく。
スボンも脱がして、トランクスを脱がして風呂場に向かう。
恵美は黙って体を洗い流し、サービスを始める。
体にローションを塗ると寝かせた尚治に体を滑らせて行く。
そして、ペニスをなで回してくわえた。
「恵美…探したぞ」と話すが無視してくわえてすまたを始める。
「恵美…」尚治は淡々とサービスを続ける恵美にショックだったが、黙ってサービスを受けた。
そして「サービスですよ?」と恵美は密穴に沈めていく。
「くっ…恵美…」手慣れた技に尚治は声が上がる。
探偵を雇い大金を掛けてやっと見つけた恵美は違法風俗の世界でひっそりと生きている。
馴れた手付きで男の欲望を処理している。
尚治にも股がり腰を動かしていく。
「くぅ…恵美!」尚治は射精に導かれた。
恵美は黙って体を洗い流し、「ありがとうございます。」と礼を言う。
恵美…と尚治は背後から抱きついた。
恵美は「もう来ないで…私…ここやめさせられたら働く所がなくなりますから」と尚治に話す。
「だから帰ろう!恵美!」と話すと恵美は「無理に決まってるでしょ!」と突き放した。
「もうみんな許してる」と話すと涙を溜める恵美。
「優斗もなぁ…大学に入ったぞ、七奈美も調理しになりたいって今高校でな…」と尚治が話すと「やめてぇ!やめて」と恵美が座り込んだ。
「あたしはそんな資格がないわ!やめてぇ」と恵美は俯く。
「みんなの人生壊したのよ!あたしは!人を殺して!今も毎日ああやって客とセックスをしてお金貰ってるの!もう100人なんて数じゃないの!」と恵美は尚治に話す。
「どうでもいいんだ…償っただろ…」と話すと恵美は泣いた。
尚治が話す「作れないんだ…」と恵美に話す「何が?」と恵美が聞くと「お前の作ったカレーがな…レシピ…お前のレシピで七奈美が作っても…味が…味が違うんだ」と尚治も泣いている。
「七奈美は何回も何回も作るんだ…充分上手いのに納得しないんだ…お母さんのあの味が…恵美…」と話すと恵美は「いやぁ…」と泣き出した。
「帰ってきてくれ…俺のためじゃない…あいつらの為に…お願いだ」と尚治が話す。
泣きじゃくる恵美。
「明日…みんなでご飯食べよう!カレーを…」と話すと尚治は「お店に掛け合うと話した」
店長は部屋の外から様子がおかしいので盗み聞きしていた。
尚治は知らずに店長に話し掛けていく。
何も言わず黙って店長は話を聞く。
恵美は俯いて黙っている。
「何とかお願いです!恵美を辞めさせて下さい」と尚治は必死だった。
暫く黙ってたが、話し出した。
「恵美さん…帰りな」と
恵美は驚いた。
「いいなぁ…あんたは?帰りを待つ人がいて。この店の大半の子はひとりぼっちの女ばかりだ。ホストに貢いだ女、横領した女とかさ、あんたは違うだろ、何があったか知ってたんだが、黙ってたよ。帰る場所があるうちにこんな世界からは消えるのが一番だ。」
尚治は「ありがとうございます!」と土下座した。
恵美もお辞儀した。
「早く帰ってカレー作りな?あんたはクビ」と話すと立ち去った。
七奈美が家に帰る。
「玄関にカレーの香りがした」慌ててキッチンに向かう。
「おかえりなさいたと尚治がカレーを温めている。
「お父さんが作ったの?」と聞かれ「まぁな…」と話すと「不味いじゃんよ!最悪!いらないよ」と七奈美は話すと「今日は間違いないぞ!さあ食べるか」と話すと尚治は皿を出してきた。
「いらない!」と七奈美はいい放つ。そこに優斗も帰ってきた。
話を聞くが優斗は「不味かったら止めればいいしいいじゃん!」と台所奉行の七奈美のPRIDEを無視して話す。
「その通りだ!」と尚治は分けた。
「全く…たと不機嫌になる七奈美。
「お前は段々母さんに似てきたな!」と言われ「あそこまでじゃないから!」と七奈美は話す。
「さぁ食べるか!」と座り、食べ始めた二人が一口食べて動きが止まる。
七奈美は「誰が作ったの?」と尚治に聞いた。「不味いか?」と尚治は食べ続け、優斗も「親父が作って無いな!」と話した。
七奈美は「これが…作れなかったの…」と涙を浮かべ、優斗も「いつものカレーだった」とうつむいた。
その時に、泣き声が聞こえる。
「誰?」優斗が走って隣の部屋に…
「母さん?」と言うと「えっ?」と七奈美も見に行く。
「ごめんなさい!」と土下座する恵美を黙って二人で見つめた。
暫く黙ってた七奈美が「馬鹿!馬鹿!馬鹿!」と罵ったが「何処に居たの?」と恵美に駆け寄る。
優斗も恵美の事件で転校を余儀なくされた。
だが優斗は「お母さん?早くしないとカレーが冷めるよ?」と腕を掴み、漸く全員が揃った。
最初はぎこちなかった会話も数時間でまるで昔から代わらなかったように普通の親子になれた。
甘えたい時期に甘えれなかった七奈美はカレーのレシピを聞いた。
「火加減と割合が違うのかな?今度一緒に作る?」と恵美に言われ「いや!明日の夜!」と恵美に話す。
「待てよ!二連チャンはキツい!」と笑う優斗に七奈美は「うるさいな!黙って作らない奴に資格なし!」いい放つ。
「恐いや」と優斗が部屋に向かう。
「迷惑かけたね?」と恵美が話すと「もう忘れた…だけど明日はカレーは嫌だ」と話すと尚治は「いいじゃないか?久しぶりの味だった
と話す。
「お母さん?」と七奈美はレシピの本を見せて甘えれなかった失った時間を取り戻して行く。
そんな時に、輝美と奈津美は海に近いレストランに居た。
あの事件以来、輝美と奈津美は時々あっていた。
「溢さないように」と輝美は子供に食べ方を教える。
「可愛いですね?」と奈津美が話すと「大変よ!悪戯好きだし」と輝美が話すと「小さい時はみんな同じですよ」と笑う。
食事を終えて、浜辺を歩く三人。
砂いじりをする子供の前に一羽のカモメが舞い降りる。
「危ない!」と輝美が駆け寄るが、カモメは子供に近寄り、子供がカモメを触るが嫌がらなかった。
「珍しいわね?」と輝美も近くに寄るとカモメが泣いた。
そして、奈津美が近寄り触り、カモメは飛び立つと空の上をグルグルと旋回した。
「珍しいわね?」と輝美が話すと「触れるなんて」と奈津美も驚く。
「寒くなってきたから帰りますか?」と奈津美が話すと三人は歩いて浜から離れる。
カモメはその上を旋回し、街頭の上から見えなくなるまで三人の姿を見守るように黙って見つめていた。
おわり
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