「未亡人浴室の情事」
初夏の日差しが山の下刈りに励む男達を照りつけた。
「オーイ、少し休もうか」
森林組合の頭がみんなに声を掛けた。
男達は一斉に仕事の手を休めて農道のそばの小高い草むらに腰を降ろした。
お茶を飲みながら談笑している所を籠を背負った女が軽い会釈をして通りかかった。
そして男らの前を通り過ぎると50過ぎの頭の平蔵がニンマリしながら言った。
「おい、見たか えらいケツの大きいべっぴんじゃないか」
するとひとりの山師の銀一が「あの女、後家さんらしいぞ・・舅と二人住まいだとよ」
「へえ、そうかよ・・・どんな舅か知らんが手出してんじゃないか」
「ハハハ、オイ義男お前、女知ってるか」
まだ二十歳にもならない義男は山師たちのからかいに顔を赤めた。
「昔から四十しざかりと言ってオナゴの盛りよ、あんな女のケツ抱えてやってみろ、腰も立たなくなるぞ」
そんな男達の猥談が暫く続いた。
実は義男はこの女性を知っていた、同級生の愛子の母の百合である。
未亡人になったのはまだ一年前で娘の愛子が卒業して都会へ送り出した矢先のことであった。
葬式に義男も参列したがその時の百合は悲しみに暮れ表情は硬が喪服の着物姿が何故か艶ぽく見えた。
まだ四十路に入って間もない42歳であった。
色白でふっくらした体型、腰から尻の肉付のよさは安産型と言って羨まれた
還暦過ぎた百合の舅、為三は連れ合いには10年前に死別して今は独り身である。
何かと淋しげな気持ちを百合との生活で持ち返していたのだ、そんな折今度は息子の死は為三には堪えた様子だった。
しかし男と言うものは嫁とはいえ女であり、欲望の対象でもある、息子が居なくなってからは気兼ねは要らない。
為三は次第に百合の肉体を奪いたい欲望を密かに持つのであった。
風呂場と納屋を仕切る板塀の小さな節穴、為三だけが知っている。
息子の一周忌を済ませた頃、為三はまず百合の裸を覗く行動に出たのであった。
つづく
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