しばらく更新できなくてスミマセンでした。
すこしずつ書き留めたのがまとまったので投稿しますね。
その日は、とてもユックリとした時間の中で過していました。
ＳＥＸは一度だけ・・・それでも帰宅中の私は、満足感に
満ちあふれていました。
もちろん、気持ちの赴くままにお互いを求め合うＳＥＸも
素敵ですが、もっと気持ちの余裕のある時間を二人で
過す方が、今の二人には丁度良いように思えて
なりませんでした。
帰宅すると、私の気持ちはスイッチが切り替わり、
モノクロームの生活モードになります。
もう、その事に違和感すら感じなくなってきていて、
自分でも（私ってズルイ女だな～・・・）と思う事もありますが
今は、この状態を維持するしかありません。
夫との行為は完全に無くなり、夫の風俗通いも続いています。
どういうお店に行っているのかまでは分かりませんが、
確実に月に２回は行っているのは分かりました。
お店の女性からもらったと思われる名刺みたいな物も
何度か目にした事もあります。
ですが、それを咎める事は私には出来ません。
むしろ、この状況は私にとっても都合が良いのです。
もはや、彼以外の（たとえ夫であっても）男性に身体を許す
ことは、もう出来ないからです。
２月は結局１回しか二人の時間を取ることが出来ませんで
した。
職場の人がノロウイルスに感染して、１週間の出勤停止に
なってしまい、勤務が大幅に変更されて、彼の休日も
変わってしまったからです。
そのままでも私の生理に当たってしまうので、ＳＥＸは無理
でしたが、やはりチョット・・・・残念。
でも、３月になれば・・・と期待していたのですが、それが
思うようになりませんでした。
３月は、彼の仕事は忙しく（年度末なので・・・）、オマケに
勤務がコロコロと変更されて、約束の日が尽く潰れてしまい、
私の方も、急病で休む人などがあり、超過勤務に休日の
変更などなど・・・。どうしても彼に会いに行く時間が取れない
状況になってしまいました。
ＳＥＸが無いのは、仕方が無いけど・・・でも、それまで貰えて
いた「愛情」まで無くなってしまったのは、正直痛いです・・・。
でも、その不満を彼にメールするわけにもいきません。
彼もまた、忙しい日々をおくっているのですから・・・。
それでもメールは出していました。内容も
「体調には気を付けてね。」
「ちゃんとゴハンを食べてますか？」
と言ったことの終始して、不満を伝えないように心がけて
いました。
彼もまた、当たり障りの無い返事を返してくるだけでしたが、
彼が私の支えを必要としているのが、痛いほど伝わって
来て・・・それが分かるだけに、
（こんな時に、彼の側に居られないなんて・・・）
そう思うと、胸が痛み胃がキシム思いです。
実際、何度も胃痛に悩まされ、ガ○ターを飲んで誤魔化して
いました。
結局、期待とは裏腹に３月は一度も彼と会うことが出来ずに
過ぎてしまいました・・・・。
春の兆しが日増しに強まってきた４月。
私は彼のマンションに向かっていました。
そしていつよりも大きなカバンを自転車のカゴの上に乗せ
（カゴに入りきらないので・・・）フラフラするハンドルと格闘
しながら走らせています。
昨年末から今年にかけて、本当にタイミングが悪くて彼との
時間を作ることが困難でした。
（１月は大雪も降りましたし・・・・）
でも、そんなツライ日々も
春の訪れと共に、変わって来ているようです。
実は３月の末、夫にインドネシア工場の研修辞令が
出たのです。それも１ヶ月間！
そう。その１ヶ月間は「彼だけの私」になれるのです。
仕事で海外に向かう夫には、本当に申し訳なく思いますが、
私にとっては、こんなに嬉しいことはありません。
（不謹慎極まりないのは重々承知しています・・・）
もうお分かりかと思いますが、私のカバンには数日間分の
着替えや、化粧品などがギッシリ詰まっているのです。
そして彼も、私を迎え入れるべく、クローゼットや洋服ダンスの
スペースを空けてくれているのです。つまり、
私が家から彼のマンションに行くたびに、私の荷物が彼の
家に移って行くのです。もちろん１ヶ月後には、また戻すの
ですが、全て戻すことは無いと思います。
ブラウスやジャケット、スカートに下着類、化粧品の幾つかは
彼の家に残して行くことになります。
もちろん、こんな機会は滅多にあるものではありませんが、
やはり着替えや身の回り品が彼の家にあると、何かと
便利なので・・・・。
４月８日（月）、夫はインドネシアに向けて旅立って行きました。
そして私は家事を終わらせ、パートに向かう前に彼の家へ
荷物を運んでいるのでした。
彼の家に着くと、当然の事ですが彼は出勤した後なので
不在です。私は一人でカバンから荷物を出して、
クローゼットにしまう物はハンガーに掛け、その他はタンス
に仕舞い、化粧品は洗面台の棚に納めました。
そしてウキウキ気分でパートに向かうのです。
もう少ししたら桜も満開になるでしょう。
彼と出会ってから１年になります。去年も春の陽気に
誘われてウキウキしていましたが、今年は格別です。
だって彼と１ヶ月も過ごせるのですから。
今年の４月は、期間限定とは言え、人生最良の日々に
なる筈です。だって彼と毎日居られる、一緒に食事が出来る、
一緒にお風呂に入れる、愛し合いたい時に愛し合える、
その全てが至高の時です。
でも、不安もあります。
そんなに美味しい時間を過してしまった後で、元の生活に
戻れるのか・・・チャンとスイッチが切り替えられるのか・・・
正直言って自信はありません。ありませんが、今は
彼との時間を大切に過そうと決めていました。
そして彼との生活が始まりました。
特別な事は何も、何一つありません。家事をし、お互いに
仕事に出かけ、食事を取り、お風呂に入り、寝る・・・。
ただ単に普通の生活をしているだけなのに、
この満ち足りた気持ちは何なのでしょう？
心の温かさは何なのでしょう？
もとろん、普通の生活の中でも、不快な事や理不尽な事は
今までと同じように日々起こります。
それまでの私なら、その都度傷つき・・不信感を抱き・・・
その事に疑心暗鬼になり、その気持ちを自分一人の中で
処理する事に懸命なっていました・・・・。
でも、今はそう言う事柄の一切を、「そういう事もある」
「そう感じる人も居る」 「そうなってしまう事もある」
そんな風に寛容に・・・・と言うか、もう少し広い視野で
見ることが出来るようになっていました。
それが心のゆとり・・・なのかは分かりませんが・・・・。
彼との生活が始まって一週間が過ぎた夜、彼からある
提案がありました。
「３日間、パートの休みが取れないかな？」
と言われ、
「う～ん、たぶん大丈夫だと思うけど・・・どうして？」
彼はカレンダーを指さして、
「この週の平日で・・・火曜日から木曜日までなんだけど・・」
「そこなら、まだ勤務の変更が出来ると思うけど・・・」
「そう？それじゃ取れたら教えてくれるかな？」
「良いけど・・・・なんで？」
「まぁまぁ、良いから(^_^)」
翌日、社員の人に休みの事を伝えたら、あまり良い顔は
されませんでしたが、それまで他の人の勤務変更を私が
受けていたので、そのくらいのワガママは聞いてくれました。
その夜、食事を終え、お風呂も済ませた後、彼に休みが
取れた事を伝えると、彼はニコニコしながら一冊の雑誌を
私の前に開いて置きました。
その雑誌のページには付箋が幾つか貼られていて、
「幾つかの候補は絞ってみたんだけど、昌子の意見も
聞いておきたくてね。」
その雑誌は旅行雑誌で、付箋が貼られているのは旅館の
紹介ページでした。
「なに・・・旅行？」
「そうだよ」
「貴方が？」
「いいや、私と昌子の二人でだよ」
「え・・・・ふたりで・・・・え？・・・え～！」
「何を驚いているんだ？３日間も休みを取らせて留守番
させるとでも思っていたのかい？(^_^)」
「だって・・・・旅行だなんて思ってもみなかったから・・・」
正直、我家の経済ではせいぜい夫の実家に行く位。
キチンとしたお宿に泊まる旅行は贅沢過ぎて、考えも
しません。
（もちろん、やって出来なくはないけれど・・・・）
夫も、休日は家ゴロ派なので、そんな話題すら出たことが
ありませんでした。
「ココとココが良いと思うんだけど、どうかな？」
ページを捲っては、彼がアレコレ言ってきます。ですが
未だ状況が把握出来ていない私は、
「あ・・・う～ん・・・」
と、曖昧な返事を繰り返すだけでした。そんな私に彼は、
「あ・・・勝手に旅行を決めちゃったけど、もしかしたら
昌子は旅行に行きたくないのかな？」
「え？・・・ううん、そんな事ないよ。」
「ホントに？もし行きたくないのならそう言ってくれて構わな
いんだよ。」
「そうじゃないの。ホントに嬉しいの。でも、アナタと旅行に
行けるなんて夢にも思っていなかったから、未だに
実感が湧かなくて・・・」
この時の私は本当に実感がありませんでした。
もちろん嬉しいのですが、彼と旅行に行き旅館に泊まる・・・
その事が想像出来ないくらい非現実的な事でした。
私は状況に置いてけぼりされながらも、何とか彼と相談し
一つのお宿を選び出しました。
正直言って、私のヘソクリで出せる額などたかが知れて
います。なのでなるべく彼に負担を掛けまいと、なるべく
料金の安いお宿を選んでみたのですが、彼は
「こんな機会は滅多にある訳じゃないんだし、私も久しぶりの
旅行だから、もっと良い宿に泊まろうよ。」
そう言って、私の選択は却下されてしまいました・・・。
そして選んだお宿は、かなり良い旅館で内風呂には
露天風呂も付いた所になってしまいました。
テレビの旅番組などで紹介されるようなお部屋・・・
正直、（こんな所に泊まっても良いのかな～・・・？）
嬉しさよりも不安の方が大きいのです。
でも、翌日には彼が予約を取ってきてしまい、もう考えても
仕方がありませんでした。
向かう先は、２泊３日の日程な事もあり、近県の温泉場。
彼は旅館の手はずに始まり、レンタカーの予約に途中の
観光スポットや穴場のチェック、特産品などの下調べに
余念がありません。
私も最初の内は、無意味な不安感にさいなまれて
いましたが、徐々に楽しそうにしている彼に影響され始め、
旅行数日前には、待ち遠しい気分になっていました。
旅行の前日、一緒にお風呂に入って居る時に彼が
「今日はチャンと下を処理しておいてくれるかな？」
と言ってきました。この頃になると除毛剤の影響からか、
殆ど生えて来なくなっていました。その事は彼も知っている
事でしたので、何故わざわざ念押ししてきたのか判りません
でした。それでも、
「うん。チャンとしておくから大丈夫。」
「それと私のも頼むよ。」
「アナタのは、この前したばかりよ？」
「分かっているけど・・・頼むよ。」
「う～ん・・・そんなに言うならするけど・・・なんで？」
「それは明日の朝に説明するよ。」
旅行当日は、朝からあいにくの雨模様・・・それでも
天気予報では回復していくとの事でしたので一安心。
彼はレンタカーを受け取りに行き、程なくして戻って来ました。
（よ～し、これで旅行に出発！）と思った矢先、彼が
「それじゃ昌子、下を脱いでベッドに横になってくれるかな？」
と言ってきたのです。
「え～・・・お出かけの前なのに・・・？」
「良いから、言う通りにして。」
何が何やら、私には状況が理解できませんでしたが、彼に
言われては、そうするしかありません。言われた通りに
してベッドに横になっていると、彼は私の目にタオルを置き
「しばらく何があってもジッとしているんだ。良いね？」
そう言って何かの準備をしているようでした。
そして、私の恥骨あたりをウェットティッシュのような物で
拭き、そして何かを張り付けている感じがします・・・。
その上から、今度は濡らしたタオルで押し当てているような
ヒヤリっとした感じがしました。
しばらくすると張り付けた物を剥がしている感じ・・・
いったい彼は何をしているのだろうと思っていると、
「良し！うまくいった！思っていたより綺麗に出来たな。」
彼は一人で満足そうです。私は
「ねぇ、いったい何なの？もう見ても良い？」
「あ！ごめん。もう良いよ。」
私はタオルを取り、起き上がりました。そして私の目に
映ったのは、私の恥骨の上に飾られた「蝶」の絵柄でした。
そして、その蝶の上には「正樹の愛婦」と書かれています。
「え・・・えぇ～！ あなた・・これは何？」
「これはペーパータトゥーだよ。この日の為に作ったんだ。」
「こんな物をいつの間に？」
「せっかく二人で旅行に行くのだから、何かしたくてね。
色々と考えたんだけど、これなら良いかなって。」
「こんなのって作れるの？」
「うん。専用の台紙があるからね。まぁ一度は失敗
しちゃったけど。」
タトゥーとかＳＭチックな事には興味がありませんでしたが、
私の下腹部に飾られた、カラフルな蝶の柄と赤く書かれた
正樹の愛婦の文字には、何故かドキドキしてしまいました。
「せっかく貼ってくれたけど行くまでに剥がれたりしないの？」
「う～ん、どうかな？一応伸縮性はあるし、上手くすれば
２～３日は持つらしいけど、温泉に入ったら剥がれちゃう
かもしれないね。」
「そうなんだ。」
「でも大丈夫。他にも幾つか作ってあるから。」
「他にもあるの？呆れた(^_^)」
「ははっ、まぁ良いじゃないか。さぁ、そろそろ行こうか？」
「はい！(^_^)」
こうして私達は２泊３日の旅行に出かけて行くのでした。
※元投稿はこちら >>
削除
