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人妻熟女 官能小説

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29
投稿者:昌子
長らく続きを書けなくてごめんなさい。(o_ _)o

時間の余裕がやっと出来たので、今日は続きを書かせて頂きます。


 彼と一体になれた翌朝、私は秋の日差しで目を覚ましました。
本当は、もう少し昨晩の余韻に浸って、微睡んでいたかったけど
窓から差し込む日差しは、私を容赦なく微睡みから引き離して
いきます。
少し恨めしく思いながらも、私は裸の身体をベットから起こしました。
ベタ付く身体と疲労感、シーツの乱れが昨晩の行為の激しさを
物語っています。
彼はまだ眠りの中にいます。両手を顔の横に上げ、小さくバンザイ
している格好で・・まるで子供みたいな寝相、
その姿に一人で(クスッ)と笑ってしまいました。
彼の手を下げ、布団を搔け直すと、私は彼のホッペに軽くキスをして
ベットから出ました。

浴室に行き、私はシャワーを浴びました。
ベタ付く身体と疲労感が、シャワーのお湯で流されていくにつれ、
私の身体には、満足感とも充実感とも付かない感覚が明確になって
いきます。
(あぁ、これがSEX後の感覚なんだ・・・それじゃ今までのは・・・)
ボンヤリとそんな事を考えながらも、ハッキリとした答えなど
出ませんでした。でも、私は今、それを感じている。体感している。
正樹さんに出会って、それを実感している。それが嬉しくて・・・
すごく嬉しくて、なぜか涙が溢れて来てしまったのです。

シャワーを終え、身支度を調えると私はキッチンに向かい、
コーヒーメーカーをセットし、コーヒーが出来る間、私は彼宛ての
手紙を書き始めました。本当は朝食の用意をして起きてきた彼と
二人で朝食の時間を楽しみたかったのですが、家の事や着替えの
事もあるので、その時間がありません。

コーヒーの香りが立ち始める中、私は手紙を書き終え、
彼の家をあとにしました。
「一度家に戻ります。朝食の用意が出来なくてごめんなさい。
 朝食と家事を済ませたら戻って来ます。 昌子」


家に戻ると早速洗濯・掃除を始めましたが、昨日感じた違和感は
やはり残っています。(なんだろう・・・この感じ・・)
その時は、まだ分かりませんでした。
洗濯・掃除を終え、私は一人で朝食を取っていました。その時ふと
理解したのです。それは、今までの生活、この空間がとても色あせて
映っているのです。上手く言えないのですが、それは彼と比べて
生活水準の高い低いではなく、私自身のそれまでの人生そのものが
まるでセピア色した写真のようだったからです。

その中で生活している時は気が付きませんでしたが、その中に
ポツンと彼の存在が入ることで、それは小さくともとてもカラフルで
まるで万華鏡の様に光を変え、色を変え、形を変えています。
私は一瞬怖くなりました。知らなければ何とも思わなかった・・・
慎ましくとも平穏に生活していた・・・でも今は知ってしまった・・・
それまでの私なら、その変化に付いて行けず、混乱していたと
思います。でも、その一瞬の恐れは、フンワリと・・そして霞のように
消えて行きます。
小さくとも、とても暖かく、そして強い存在の彼、そして私・・・。
その前では、そんな恐れも一掃されてしまうのです。

家事を終え、家を出た私は、ふと彼と出会った公園に寄ってみる
ことにしました。
ベンチに座っていると、当時のことが蘇ってきます。
「このスニーカーを履いて、ウキウキ気分で買い物に出かけて、
 そしてあの辺で転んじゃったんだよね・・・そして彼が現れて、
 このベンチで傷の手当てをしてくれた。そうそう、傷を見て
 彼ったら貧血を起こしちゃったんだっけ・・・可笑しい。」

その時は満開だった桜の木も、今はすっかり葉も落ち、枝だけに
なって、少し寒そうです。
(そろそろ行かないと。)そう思って立ち上がると、ベンチの後ろの
花壇に目が留まりました。
(あれ?なんだろう・・・)近付いて見ると、小さな花が二輪咲いて
います。
(こんな時期に・・・?)そう思って、よく見てみると、それはコスモス
でした。白い花に寄り添うように薄桃色のもう一輪が咲いています。
時期外れに二輪だけ咲いているそのコスモスは、まるで私と彼の
ように感じられ、愛おしくなり、そっと花弁に触ってみました。
ふんわりとした柔らかさが指先に伝わり、強く触ったら散って
しまいそうな儚さです。

彼との出逢いは満開の桜の下。初めて一緒になれたらコスモス(秋桜)
私達はよほど「桜」に縁があるのかもしれませんね。


彼の家に戻ると、正樹さんの姿は見当たりませんでした。
でも、鍵の掛かっていた部屋からは気配が感じられ、ドア越しに
「正樹さん?・・・居るの?」と小さく聞いてみると「あぁ、居るよ」
と返事が返ってきました。
「入っても良い・・・?」
「どうぞ。かまわないよ。」
初めて入る部屋に、少しドキドキしながらドアを開けると、そこは
6畳ほどの部屋でした。他の部屋と同じように飾り気が無く、簡素で
この部屋だけは別なのかも?との期待はあっさり裏切られてしまい
ました。

彼はパソコンデスクに座り、何か仕事をしているようでしたが、私が
部屋に入ると、振り向いて「おかえり。昌子。」と柔らかく笑って迎えて
くれて、
「あ、、た、、ただいま。あな・・・」
「うんっ?なんだい?」
「あ!・・・ごめんなさい。昌子って呼んでくれたから、つい貴方って
 言ってしまいそうになっちゃったの・・・」
出迎える事はあったけど、出迎えてもらうのは初めてで、つい
動揺してしまっていました・・。
「二人だけの時は、昌子が呼びやすい言い方で構わないよ。」
「でも・・・イヤじゃない?」
「そうだな~・・・、それじゃ一度呼んでみてくれないか?」
「え?・・・もう一度?」
「うん。呼んでみてよ。」
「・・・・・アナタ。」改めてそう呼ぶのはすごく恥ずかしくて、顔が熱く
なってきます。
彼は目を閉じて、
「もう一度言って・・・」
「アナタ・・・貴方・・・・・・」
彼は目を開くと、笑顔で
「うん。良いね!昌子の声で、そう呼ばれるのは凄く気分が良いよ。」
それからは、二人で居るときに限っては、私は正樹さんの事を
(貴方)と呼ぶようになりました。

「スマナイが、ちょっと仕事を片付けないといけないんだ。
 1時間ほどで終わるから、すこし待っててくれるかな?」
「うん・・・この部屋で待ってても良い?」
「構わないよ。退屈なら本棚の本を読むと良い。」

私は改めて部屋を見回しました。パソコンデスクの横には棚があり、
仕事用のファイルなどが納められています。
部屋の真ん中には布張りのソファー。
ドアを挟んで反対側には本棚があり、文庫本がビッシリ入って
いました。最近出た物から、背表紙が日焼けてしまって色あせた
古そうな本まであります。
本棚の隣には、黒い箱状の物があり、(?・・・スピーカー・・かな?)
そしてその奥にも黒い長方形のケースらしき物もありました。
私は本棚の中から、昔自分でも読んだことのある本を抜き取り
ソファーに座って読み始めました。

「・・・うこ・・・ょうこ・・・・・昌子」
私を呼ぶ彼の声で私は、はっ!としました。
見た目は地味ですが、このソファーは足も伸ばせて、なかなか快適
なんです。と言うか・・・快適すぎて、何ページも読まない内に、私は
睡魔に襲われ、あっさり眠ってしまっていたのです。

「あ・・・ごめんなさい。私いつの間に・・」
「ははっ、気持ちは分かるよ。私も仕事の合間に休憩しようと座ると
 いつの間にか眠ってしまって居ることがよく有るからね。」
「お仕事は?」
「うん、もう終わったよ。」
「それじゃ、今お茶を入れるわね。」
「うん、頼むよ。」

私は昨日と同じようにジャスミンティーを入れました。
「高いお茶なんだろ?そんなに頻繁に入れたらもったいないよ。」
「もう封を切ったから、早く飲まないと風味がきえちゃうから。」
「そうかも知れないけど・・・」
「瓶に詰め替えておいたから、アナタも自分で入れて飲んでね。」
「自分で・・かぁ・・・」

彼のその一言は、二人で飲みたいという希望と、それは何時も
望めないという絶望のような物が入り交じっていました。
それは私も同じでした。でも今はそれを受け入れるしかありません。
いえ、むしろ自分自信に言い聞かせる意味の方が強かった・・・。

お茶を飲みながら、私はここに来る途中の公園での事を話しました。
「私は運命論的な事は、あまり信じない方なんだが、昌子との事に
 関しては、なにか縁(えにし)のような物があるのかもしれないね。」
「あるよ~!だってこの時期に秋桜だよ。絶対何かあるよ!」
「ははっ、昌子はロマンティストだね。」
「聞いておきたかったことがあるんだけど・・・」
「なんだい?」
「あそこの公園、普段から使う道なの?」
「いや。実はあの日、桜があんまり綺麗だったし、天気も良かったし、
 ちょっと散策するつもりで自転車を走らせていたんだよ。だが
 道に迷ってしまってね。そしたらあの公園の桜が満開で凄く綺麗
 だったらか、休憩がてら見ていくことにしたんだよ。そして・・・」
「私が転んでた。ほら~!やっぱり何かあるんだよ~!!」
「でも、それは偶然だったのかもしれないよ。」
「偶然も2度もあれば必然っていうじゃない!必然だったからスーパー
 で再会できたんだよ~。」
「いや、何も否定している訳じゃないんだが・・・」

午後になり、彼は買い物に行くと言ったので、当然私も一緒に行こうと
思ったのですが、それは彼に制されてしまいました。
「昼間はあまり一緒に出歩かない方が良い。分かってくれるよね?」
そう言われては、私もそれ以上のワガママを言えません。
何か必要な物は無いか?と聞かれ、私は夕飯に必要な物を彼に
伝えました。

彼を送り出した後、私はベットのシーツと取り変え、洗濯と掃除を
始めました。
そしてトイレに入ったとき、私はあることに気が付いてしまったのです。
それは昨日まで綺麗だった恥骨の上に、プツプツと毛が生え始めて
いたのです。
元々そんなに濃い方では無かったし、脱毛クリームを使っている
せいか、生えてくる毛も細くなって来ていましたが・・・・。
でも、そこまで気が回っていなかった事もあり、シェーバーも
家に置いてきてしまっていたので処理することが出来ません。
(あ~ぁ、仕方が無いかなぁ~でも、彼は綺麗で似合ってるって
 言ってくれたし・・・)
落胆しながらトイレから出て、洗面台で手を洗っていると、そこには
彼の使っている髭剃り用のシェーバーがありました。

(顔に使う物をアソコの処理に使うのは・・・やっぱチョット・・・でも
 明日にはお泊まりが出来なくなるし・・・できれば綺麗なままで
 今夜を過したいし・・・・)散々悩んだ挙げ句、使わせてもらう事に
しました。
石鹸を着けて恐る恐るシェーバーを当てて行きましたが、
思いのほか綺麗に処理できて安心しましたし、心配していた剃刀負け
もありませんでした。(さすが4枚刃!!)σ(^◇^;)

彼はなかなか帰ってきませんでした。
(正樹さん、遅いな~。もう1時間半になる・・・・)気になって仕方が
ありませんでしたが、取り合えず夕飯の準備を始めることに
しました。
準備を始めて40分程でドアの解除音が聞え、私は玄関に迎えに
行きました。
「おかえりなさい。あなた。」まだチョット恥ずかしさが残るけど、私は
そう言って彼を迎えました。
「ただいま。昌子。遅くなって済まない。」
「ちょっと心配しちゃったけど、もういいの。お買い物ご苦労様」
「夕飯の支度、手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。殆ど終わって居るから。」
「そうか、少し部屋にいる。何かあったら呼んでくれ。」
「うん。わかったわ。」

彼は部屋に行き、私は夕飯の仕上げを始めました。
献立は、ベタだけどチキンカレーとサラダ、そして野菜スープ。
鶏肉の冷凍がかなりあったので、カレーはチキンにしました。

テーブルに食事の用意をし、彼を呼びに行きました。
「あなた。食事の用意が出来ました。」
「うん、わかった。直ぐに行くよ。」
彼は席に着くと、テーブルの端に何かを置きました。透明の
アクリル板で、、
「なに、それ?」
「見てごらん。」
伏せたままのその板を持ち上げて、それが写真立てだとわかりました。
そして、そのアクリル板に挟まった写真を見て、私は息が止まって
しまいました。
そこには満開の桜・・そして小さな秋桜が二輪、写真を対角線上に
分けて上に桜、下に秋桜が写っていました。そう、それは紛れもなく
あの公園の桜と秋桜でした。
みるみる内に、その写真は潤み・・・ユラユラと揺れ始めました。
溢れる涙が桜の花びらを揺らしているよう・・・・。

サプライズとか驚きだとか、そんな表現は陳腐でしかありません。
嬉しい・・・すごく嬉しい・・・彼のその気持ちが、暖かさが、優しさが
そのたった一枚の写真からヒシヒシと伝わって来る。
私は写真を胸に抱き、ヒンヒンっと泣き続けるしかありませんでした。
(幸せなんだ・・・凄く幸せなんだ・・・これが幸せって事なんだ・・・
 どうしよう・・・私・・凄く幸せになってる・・・今までこんな事、無かった
 のに・・・・・失いたくない・・・無くしたくない・・・
 もう何も要らない。この幸せさえあれば・・もう何も・・・・)
私の心の器は、その気持ちに満たされ、そして溢れ出し、涙と
なって出て来ます。それでも、その気持ちは涸れることの無い
泉のように際限なく溢れて来ます。もう、とても一人ではこの
気持ちを支えきれない・・・そう思った時、彼は優しく私を抱きしめて
くれました。

写真を抱いたまま、私は彼の胸で泣き続けました。
(もう落ち着かなきゃ・・・)そう思っても、心の泉からは絶え間なく
気持ちが溢れてきてしまいます。
「・・・ごめ・・ん・・なさ・・い・・・ご・・めん・・なさい・・・」
「昌子が謝る事は無い。良いんだ。落ち着くまでこのままで・・・」

いったいどれだけの時間、私は泣いていたのか・・・・
その間中、彼はずっと私を抱きしめていてくれました。
そして自分でも驚くほど、涙を流し続けました。



時間が無くなってしまいました・・・続きはまた・・ですね。


※元投稿はこちら >>
13/04/17 18:14 (Wy2qL64t)
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