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人妻熟女 官能小説

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18
投稿者:昌子
読んでくれている全ての皆さんへ。

本当にありがとうございます。
自分で読み返してみても、誤字・脱字が多いですし、
「・・・・でした。」ばかり。
文章の流れ的にも(んんっ・・?)という所も多数・・・。

正直、(もう書くの止めようかな~・・・)と思う時も
しばしばでしたが、皆さんの暖かい応援に支えられて
ここまで書いて来れました。

改めてお礼を申し上げます。(_ _)

それでは続きを書かせて頂きますね。


彼との初めての夜、私は何も言うことが出来ず、そしてただ
彼の胸に顔を押し当てて、泣いていました。
彼は私の肩を抱き寄せ、私の頭の上に手をのせ、そしてそれ以上は
何も求めて来ませんでしたし、私も求めませんでした。

いえ、(求められなかった)と言う方が自然かもしれません。
心を器に例えるのなら、その器には、とても大切で暖かい
(何か)が一杯に満たされ、少しでも動かしたら零れて
しまいそうだったからです。
その何かを一滴でも零したくない・・・そんな気持ちだった・・。
満足感・・幸せ・・・愛・・・・どの言葉を持ってしても
その感情を上手く表現する事が出来ません。
そして彼も同じ感情を抱いて居ることが、ひしひしと
伝わって来るのです。

私はその感情を、どう扱って良いのか・・何処へ持って
行けば良いのか分からず、ただただ泣き続けるしか出来ませんでした。
そんな私に彼は、
「ゆっくりで良い・・。二人でゆっくり考えて行こう。だからもう
 泣かないで・・・今日はおやすみ・・・。」
彼のその言葉に私は小さく肯き、少しだけ顔の位置を変え、
居心地の良い場所を見付けると、徐々に波紋か消えるように
落ち着き始め、そして静かに眠りの深淵に沈んでいきました。

翌朝、私が目を覚ますと彼はすでにベットには居ませんでした。
(しまった~!寝過ごしちゃった~!!)
昨晩は、帰らない事にばかり気を取られ、携帯の目覚ましまでには
気が回らなかったのです。
私は慌ててベットから飛び出し、ダイニングへ向かいました。
ですがそこにも彼の姿は無く、テーブルに一枚の置き手紙が
あるだけでした。

「おはよう。今日は早くに出ないといけないので起こさずに
 行きます。私の事は気にせずに、昌子の自由にしていて構わない。
 何かあったらメールして下さい。」
手紙にはそう書かれていました。

洗面台の前に立つと、昨晩のせいで目蓋は少し腫れぼったく
なっていましたが、そんな事を気にしてはいられません。

私は身支度を終えると、洗濯カゴにあるタオルや肌着類を
洗濯し、掃除機を掛けてから一度家に戻ることにしました。
まだ、さすがに自分の下着を一緒に洗うのはチョット
失礼・・かな?と思いましたし、着替えも必要だったからです。

家に帰ると洗濯物をカゴに入れ、
(え~っと、やっておくことは~・・・)と見回しましたが
出る前に、全て終わらせておいたので、特にする事が
ありませんでした。
そして、何とも言えない違和感・・?の様な物を感じていました。
かといって、出る前と何も変わった事もありません。なのに
何かシックリこないのです。
(チャンと鍵も掛かっていたし・・気のせいかな~?)
私は気を取り直して服を着替え、下着を選び始めました。

本当だったら、いつ彼に求められても良いように
勝負下着!的な物を選びたいのですが、元来派手な下着が
苦手な私は、ブラもショーツも飾り気の無いプレーンなものばかり。
(経済的に高級な下着を買えなかったのも事実ですけど・・・)
無い物は仕方がありませんから、中でも比較的新しくて
お気に入りの物を選んでバックに入れました。

そしてキッチンから綺麗に洗っておいたジャムの空き瓶と
開封していない紅茶の茶葉、その茶葉を入れるお茶パックも
バックにしまい、家の中を一回り見回し、問題ないことを
確認してから家を出ました。

彼のマンションに向かう途中で、夫からメールが届き
「何も起きていないか?」の問いに、「大丈夫。何も変わった事は
 ないから心配しないで。」と返事を送りました。
さすがに罪悪感はありました。どんなに理由を付けても
私は既婚者・・・不倫・浮気であることに違いは
ありません。
でも、その罪悪感はすごく遠い人へ向けたものに
感じられていました。
その距離感は、今に始まった事では無く、結婚当初から
何となく感じていた事で、それでも
(赤の他人同士なんだから最初は仕方が無いことだし、
 そのうちそれも縮まるはず・・・。)と思っていました。

でも実際には、遠のくことはあっても距離が縮まる事は
ありませんでした。
「結婚数年で、分かったことを言うな!」と怒られて
しまいそうですが、その時の(今も・・ですが・・・)私には
どうしようも無い深い溝に感じられていました。

彼のマンションに戻った私は、遅いブランチを取る事にし、
サラダとフレンチトースト、そしてインスタントの
コーンスープを作り、一人で食べていました。
普通なら人様の家で、一人で食事をしていると
居心地が悪いというか、落ち着かないものだと思いますが
何故か、そこは自然にと言うか・・・無理なくすごせる
空間なんです。
飾り気も無く、簡素であるがゆえ・・・なのかも知れませんね。

食事も終り、夕飯の献立をどうしようかと思っていると
今度は正樹さんからメールが届き、
「今日は仕事も早く上がれますし、明日は私も休日なので
 今日の夕食は外で食べませんか?」
と書いてあり、私が
「はい。」
とだけ返事を返すと、彼からは待ち合わせ場所と時間が
送られてきました。

(やった!今日は外でお食事ぃ~!)
子供の頃、両親に連れられて外食しに行った時と
同じワクワク感を感じ、私はひとりで柏手を叩き、
その場でクルリッと一回転してしまいました。
(ホント・・子供みたいですよね・・・)σ(^◇^;)

待ち合わせ時間は夕方の5時でしたが、そのまま部屋に
居ても仕方が無いし、お腹を減らす意味もあって、
私は直ぐに部屋を後にしました。

洋服を見て回ったり、本屋さんで料理のレシピ本を見たりして
いる内に、私はある事に気が付き、そして不安になりはじめて
いました。それは私の今日の服装・・・
スニーカーにデニム、チェックのシャツに秋物のジャケット。
まんま普段着だったからです。
(洒落たお店に行ったらどうしよう・・・この服装じゃぁ・・・)

彼もそのつもりで早めにメールくれたのだとしたら・・・
(私のバカ!喜んでいないで着替えに戻れば良かったのに・・)
ワクワク気分はみるみる内にしぼんでゆき、不安感だけが
私の中に膨らんで来ます。
でも、もう戻って着替える時間がありません。

待ち合わせの時間になり、私は沈んだ気持ちでトボトボと
待ち合わせ場所へ向かいました。
(どうしよう・・・どうしよう・・・・)
そんな事ばかり考えながら歩いていると、不意にポンッ!と
肩を叩かれ、ハッとして振り向くと、そこには正樹さんが
立っていました。

「どうかしたの?」
「えっ・・・?」
「いや、待ち合わせ場所を通り過ぎて行ってしまうから・・」
「あっ・・ホントだ。」
私はモヤモヤと考え事をしながら歩いていたので、場所に
着いても気付かず、そのまま通り過ぎてしまって
いたのです。
「何かあったのか?」
「あ・・あの・・あのね・・・わたし、こんな普段着で
 来ちゃったんだけど・・」
「なんだ、その事を気にしていたのか。大丈夫、心配は
 要らないよ。そんな小洒落た店には行かないから。」

お店までの道すがら、彼は、
「いや、本当にすまない。そのままの昌子でいいから
 特に何も伝えなかったんだけど、かえって不安にさせて
 しまったようだね。」
「ううん、私も悪いの。外食なんて久しぶりだから
 勝手に一人で浮かれちゃって。」
(良かった・・・本当に良かった・・・)
安心した途端、私は急に空腹を覚え、
「クスッ」と一人で笑ってしまいました。

「なに?」
「安心したら急にお腹が空いちゃって・・・私って
 げんきんだな~って。」
「あははっ、それじゃお腹一杯食べよう!」
「うふっ、はい!」

着いたお店はお寿司屋さん。(回転ですけど)
「ここ、結構美味しいらしいんですよ。今日は平日だし
 この時間なら空いていると思いますよ。」

回転寿司とはいっても、結婚してから一度も行ったことが無く
私にはご馳走でした。
私達はお皿のお寿司を分け合いながら、それこそ
お腹一杯になるまで、お寿司を堪能しました。
でも、最後の〆の一皿で意見が分かれてしまったのです。

「やっぱり最後は卵よね。」
という私の主張に、
「いやいやぁ~、最後はやっぱり穴子でなきゃ!」
と彼。
「穴子が最後なんて変よ!」
「何言ってるの?卵は最初って決まってるだろ。」
ここでも強情者どうしでお互いに譲りません。

でも、あまりのくだらない言い争いに気付き、二人同時に
吹き出してしまいました。
二皿頼めば良い話だったのです。

「うん。昌子の言うことも一理あるな。」
卵を食べながら彼。
「でしょ?でも穴子って言う手も捨てがたいわね。」
と私。
こんな楽しい外食は初めてでした。
意見の食い違いでさえ、二人の距離を縮めてくれる。
そしてそれが実感できて、すごく心地良い時間でした。

食事の後、すこし遠いけど、マンションまでの道を歩いて
帰ることにしました。
もう夜になった道を腕を組んで歩く・・・。
会話も他愛も無い内容。それでも私にとって最良の時間に
感じられ、
「なんだか、すごく良いよね~」
こんな抽象的な言い方しか出来ませんでしたが、
彼には伝わっていました。
「うん。本当だね。本当にすごく良い・・・」

そして彼は立ち止まり、私を引き寄せました。
彼は何も言いませんでした。そして私も・・・。
彼は軽く肯き、私も肯きました。
秋の夜、少し寒い風の吹く中で
私達は、初めて口づけを交わしたのでした。


また時間が無くなってしまいました。
続きはまた・・・。
長くてホントにごめんなさい。(o_ _)o



※元投稿はこちら >>
13/03/26 18:37 (QFl7.z09)
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