私が受け持った新小学1年のスイミングスクールは順調な滑り出しだった。失恋の痛みを忘れようとして一心に指導したからなのか、ジムからもそして父兄からも「指導熱心な先生だ。」とか「初め泳げなくても先生のおかげで泳げるようになって子供もたくましくなって
何よりだ。」といった声が私を後押しし順調な滑り出しになった。それに、たまに指導員と若い母親の間で発生するスキャンダルめいたこともこの1年私には無縁だったことがさらに私の信用を高めていた。
しかし、これは私にとっては両刃の剣だった。この評判が私の行動を縛っていた。気持ちのままに智子さんにアプローチしたとして、考えられる結果は、
1 良い先生(指導力と人格)との評判
実は、
2 特定の母親に懸想
3 他の母親と子供達を差別、智子さんだけに特別な眼差し
4 懸想された親子(智子さん)が他の母親から嫉妬される
5 智子さん親子やめる(やめさせられる)
6 智子さんは私を避ける。家庭を守るために。
7 智子さんと仲良くなるどころか2度と近寄れもしない。
8 それでも近づいたらストーカーとして逮捕される。
9 おしまい
ということになりかねない、といくら20代半ばの私にも容易に想像がつくことだった。もしかしたら考えすぎかもしれないが、私はそこまで何としても智子さんと特別な関係になりたかったので無い知恵を絞って考えても良い方法が思いつかなかった。
それに、私が今まで付き合った女性はほぼ同世代だった。智子さんみたいに9歳年上(智子さんは当時35歳だった。)の女性どころか年上の女性と付き合ったことがなかった。人妻に興味がなかったのではない。高校時代には悪友2人と3人で「人妻同好会」なるもの
をつくり、熟女のナンパをしようなどということまで考えたが、結局3人とも度胸がなくて実行が伴わなかった。そんなことで、私は具体的にどう動けばいいかまったく思いつかなかった。
はっきりしていることは智子さんにアプローチすればろくな結果にならないということだった。
「誰か、俺にいいやり方教えてくれよ。」といっても答えてくれる都合の良い師匠が現れるあても無かった。
5月の半ば、指導員同士で軽い飲み会があった。月に2,3度開かれるいつもの飲み会だったが、1人なって自分のアパートに向かうため最寄の駅に向かっていた。生来酒の強い私は、少し酔ったなといった状態だったが足取りと意識はしっかりして歩いていた。
改札が見えてきた時だった。
いきなり私の耳元で大きな声がして左肩に衝撃が走った。吃驚した私は1歩飛び跳ねて左側にいる人を見た。そこには私と同年齢位のサラリーマン風の男が立っていた。私の顔はいきなりで強張っていたと思う。私はなにか言おうとして口を開けかけた。
「おお、やっぱり清水か。俺だよ、俺、熟女同好会の森だよ。忘れたか。」と大声で言ってきた。酔っ払いの言うことだから大目に見られたのだろうが、道行く人の何人かが苦笑しながらとおりすぎて少し恥ずかしかった。だが、熟女同好会で相手が何者かははっきりした。
私と森とは数年ぶりに会い、別の飲み屋に向かった。
「いやあ、久しぶり。お前、東京の大学いってあまり帰ってこないからどうしたのかな、て政也といつも言っていたんだよ。」と森が口を開いた。政也というのは大沢政也、略して「オオマサ」というやつだ。そしてオオマサが熟女同好会元会長だ。
俺が清水で話しているやつが森、そしてオオマサだ。単なる偶然だが目指すところが熟女とはいい感じ、でも無いか。いずれにしても懐かしくて、そして明日、あさってとお互い2連休ということが、私達の酒を勧めた。
私と森それに会長のオオマサはなにも熟女同好会だけのメンバーではなく、3人とも名門水球部○○高校の主力選手で、さらにこれも同じように業種は全くちがうが、地元では中堅どころの優良な業績を誇る企業の経営者の跡取り(候補)だった。中学、高校と一貫校での
親友だったが、オオマサは地元の国立、森は少し離れたところの公立大学に行き今では2人とも、親父の系列会社の役員をしているとの事だった。2人とも現在も時々会っていると答えた。
一通りの近況報告が終わるころには、数年の時間の壁はすっかり取り払われていた。当然私の話は、智子さんの話とそういう気持ちがありながらどうしようも出来ない苛立ちに対する愚痴を言っていた。
「いやあ、安心したぞ、清水。お前はやはり栄えある「熟女同好会」の第1期正式メンバーの一人だな。熟女に対する思いはいささかも衰えていないことがわかって嬉しかったぞ。」そう言いながら森は私の左肩を何度もたたいた。
「茶化すなよ、森。いい年になって結婚している人を好きになるなんて茶化すしかないと思っているだろうけどな、けど、この気持ちどうしようも無いんだよ。だから茶化さないでくれよ。」私は少し不貞腐れ気味に言った。
「いや、清水おれはな、昔と変わらないお前の話を聞いてほんと嬉しかったんだぜ。デモよ、清水。おまえ、熟女と付き合ったことあるか、オマンコしたことあるか。人妻の知り合い何人かいるか。知り合いというのはもちろん体の関係位はなくちゃいかんぞ。」
「いや、そんな経験や知り合いいないけどな。」私は不承不承認めた。
「要は清水は人妻に恋をしたっていったて、人妻の生態も考え方も性向ももちろん狡さも何にもわかっていないってことか。」
森は言い難いことを楽しむように私に確認するように畳み掛けてきた。
「何だよ、偉そうに。じゃ、森、お前知っているとでもいうのかよ。」少々ムッとした表情になっていたのだろう。
「まあ、怒るなよ。ただな、今の清水の話を聞いてまだ俺の方が熟女のこと知っていると確信したよ。それに、あのころと大元で変わっていない清水はやっぱり俺達の友達ということもわかっったよ。」
「どういうことだよ。」私は森が何を言いたいのか判らずそう言った。
「清水、お前さ、本当にその智子さんの事好きか。」森は少しまじめな表情で聞いてきた。
「さっき言ったとおりだ。今まで生きてきた中で一番だ。後何箇月かしたら間違い起こすか自分が心配だ。」
「そうか、そんなに思いつめているのか。ま、さっきの話では冷静なところもあると思ったが、だいぶ追い詰められているな。でもな、今の清水のように熟女も人妻もよく知らないというのなら、ほとんどその智子さんといい仲になるのは無理だろうな。
もっと熟女、人妻を知って、感じてそして感じないとな。その智子さんか、夫婦仲はどうだ。」
「悪くは無いと思うよ。ただ・・・・」
「ただ、何だよ。」
「ただ、2人はもう2,3年くらいはやってないんじゃないかな。」
「なに、なぜそういえるんだよ。」森の目が少し光った。
「ああ、この前、智子さんが自分の娘に○○チャンは姉妹いなくてもいいよね。」ていっていたからもしかするともうセックスレス夫婦じゃないかな。それから、」「うん。」「それから、智子さんが、友達の奥さんに子供は1人でいい、なんていってたっけ。」
「そうか、単に避妊しているだけかも知れないが、セックスレス夫婦の可能性も大きいな。旦那はどんな奴だ。」
「旦那はジムに来たこと無いよ。」私はそう言ったが森はすかさず私に
「お前がそれほど好きなら自分の目で確かめているだろうが。」といってきた。やはり元、そして今日からは今も親友、よくわかっていると思った。
「ああ、実は何度か確かめた。家から出勤して会社に入るまでと夜何度かな。」
「どんな奴だった。セックスは強そうか。体格はどうだ。」
「あまり強そうとは思えないな。少し細身だから並かやや弱いんじゃないか。」と私は森に言った。
「うーん、俺が思うにその智子さんはきっと旦那との性生活に十分満足しているな。だがな、」「だが、何だよ。」「おう、だがなそれは本当のセックスというのを知らないだけじゃないかな。なあ、清水。教えてやれよ。○○高のセックスマシーンと言われた
昔の実力をその初心な智子奥様に刻んでやれよ。でも、それにはまず熟女、人妻のことを知らないとな。」そこまで言うと森は私をみて笑った。
「何が可笑しいんだよ。」口を尖らして抗議するわたしを軽く制して森は続けた。
「熟女を知る、人妻を知る。まずお堅い人妻を自分の恋人に出来るかどうかの第1歩はこれに尽きるよな、な、清水、そう思わんか。」身を乗り出しながら森は言った。声が大きく何人かのお客が我々のほうをみた。
「お前と俺とは親友だよな。」森は声を小さくして私に言った。「ああ、そうだが、今もそう思っている。」私がそういうと森は大きく首を振り、「清水、その智子さんを自分の女にするためにまず第一段階の経験を積めよ。で明日の予定は。」と森は言った。
「明日も、明後日もこれと言う用事無いけど。」と言うと「明日5時から9時ごろまでに○○駅のカラオケルーム、ま俺の親父が経営してるカラオケだけど、でイベントがあるんだが、お前是非来いよ。」と言ってきた。
オオマサと会うのは懐かしかったのですぐに承諾したが、事情を聞くとオオマサが狙っているパートの人妻がいるが、1人だけではなかなか飲み会にこないため、仲間の人妻2人とともに飲み会を開き、安心させたところで雰囲気を盛り上げ、オオマサが狙っている人妻が連れてきた
人妻2人と私と森がセックスしてその場を盛り上げ、その後オオマサが隠微な雰囲気に乗じて貞淑な人妻と事に及ぶと言うものだった。
少し強引過ぎる計画だったがついてくる人妻2人のうちの一人は、若い従業員と不倫になり首になりかけたところをオオマサがとりなし、大概のことはオオマサの言うことを聞くだろうし、第一かなり好き物の人妻との事であった。
もう1人の人妻は3人の中では一番若いががやや気の弱さがあるだろうか、おそらく強引に迫ればいきなりアナルは無理でもセックスまではいけるとオオマサは分析しているようだった。
オオマサが狙う人妻は、旦那が公務員で、子供がいない年齢が39歳の高島礼子似の妖艶な雰囲気の人妻だが、おそらく結婚以来浮気の経験はないとのことだった。結婚は職場結婚(奥さんも昔公務員)との事で豊かな胸と男好きのする容貌に誘いは多いらしいが、一見真面目な
雰囲気のオオマサと同僚2人が参加するため、参加を決めたとの事だった。
男もオオマサと森、それにオオマサの部下の若い従業員が行く予定だったが、森が私に会う少し前、その従業員の実家で不幸があり、いまさら信頼の置ける人間を用意も出来ず、2人で人妻に会おうとしていたとき私と森があったのだということだった。
「何年ぶりに、それもこんな時に会ったのも何かの縁さ。明日は楽しもうぜ。」
森はワイングラスを高々と上げた。
そして「熟女同好会はやっぱり熟女や人妻が好きなんだよな。いや、実は、俺もとても陥落しそうにない人妻に惚れていてな。いつか恋人にしたいと思っているんだ。」
森はそこまで言うと一気にワイングラスを開けた。
「清水、昔の誼で、お前の力が必要なときよろしく頼むな。」そういいながら森は立ち上がった。「じゃ、明日さっき言った時間で、さっき言った場所に来てくれ。」そういいながら森は私にガッツポーズをした。
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