カーテンの隙間から挿し込んだ光で目が覚めました。
私は全裸で男に抱かれながら朝を迎えました。
(とうとうこの男と一晩過ごしてしまったんだわ。しかも自宅のベッドの上で・・・)
昨夜の激しい交わりが下半身のかすかな疼きとともに私の頭によみがえりました。
しかし次に、ふと枕もとの時計に目をやった瞬間、私のそんな余韻は吹き飛んでしまいました。
時計の針はすでに7:00を指していたのです。
(いけない!もうこんな時間じゃない・・・あの子、起きてるかもしれない・・・)
私は男の手を振り解き、飛び起きました。
そして、男の肩をゆすって起こそうとしました。
「ねえ、起きて。ねえ、早く起きて帰って。」
大きな声をあげるわけにはいかず、私の心は焦るばかりでした。
(いけない、このままでは、娘に見つかってしまう・・・)
しかし、いっこうに男は起きる気配を見せませんでした。
(だめだわ。どうしよう・・・)
とりあえず、私は男の耳のもとでささやきました。
「ねえ、絶対に起きてこないで。まだ、娘がいるんだから。娘が学校へ行くまでは、絶対にベッドの中にいて。お願い・・・」
すると、いきなり男は寝ぼけながら抱きついてきました。
その瞬間、かけていた布団がめくりあがり、否が応でも、すでに逞しくなりかけた男根が私の目に入ってきました。
「なあ、もう一発、やらせろよ。」
男は私の肩に手を回し、私をベッドに押し倒そうとしました。
しかし、この時だけは男の強引な誘いに対して、私の理性が打ち勝ちました。
「もう、いいかげんにして・・・」
私は必死で男の手を払いのけ、寸前のところで組み敷かれるところから逃れました。
この時は、決して男がひるんだわけではなく、ただ男が寝ぼけていたことが幸いしたのだと思います。
男はニヤリとしながら
「わかったよ」
とだけ言うと、再び一人、ベッドに横になりました。
男のことはすごく気になりましたが、今更、心配していても仕方がありません。
まず、自分自身のこの姿を何とかしなければ。
私は、とりあえずバスタオルを身体に巻きつけると、そっとベッドルームのドアを開けて、部屋の様子をうかがいました。
どうやら、娘は起きていないようです。
私は、ドアを閉めると、急いで洗面所に駆け込みました。
洗面所の床には、男の衣類とともに私の衣類や下着が無造作に散乱していました。
私はとりあえず男の衣類を洗濯機に押し込むと、バスルームでシャワーを浴びました。
右の乳房には男のキスマークがくっきりと、そして陰毛には男の精液や私の愛液がべっとりとつき、それが乾いてのりをつけたようにかたく貼りついていました。
私は早々にバスルームから出ると、昨夜の衣類を身につけ、子供部屋に行きました。
娘はぐっすりと寝ていました。
私はほっと胸をなでおろすとともに自分の犯した罪の深さを感じずにはいられませんでした。
(ゴメンネ。こんなママで・・許してね・・・)
その後、私は娘を起こし、まるで何事もなかったように、食事の仕度をしたのでした。
(向こうの部屋には、あの男がいる・・・)
娘が食事をする姿を見ながら時折、そんな不安が頭を過ぎりました。
「ねえ、ママ、パパは今日、帰ってくるの?」
「そうね、帰ってくるわよ。」
(そうだわ、今日は主人が帰ってくる・・・)
私はなぜか胸が苦しくなる思いを抑えながら、娘を学校へ送り出したのでした。
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