「すぐに洗濯するから、その間、卓也君これ着ておいて貰える?」
裕貴の部屋で美穂は裕貴のブリーフとスウェットのズボンを卓也に渡した。
「すみません、なんかお手数かけちゃって」
申し訳なさそうに一言詫びて、卓也はいきなり美穂の目の前でズボンとパンツをずり下げた。
「きゃっ」
思わず声を上げる美穂。卓也は股間の陰毛と、だらりとぶら下がった薄茶色のペニスを恥じらいもなく晒している。
「え?どうしたんですかぁ?」
真顔で訊く卓也に、美穂は逆に声を出した自分を恥じた。
「ご、ごめんなさい…。なんでもないの。さ、これに着替えてね」
(この子達は中学生。裕貴と同じでまだまだ子供なんだわ…。だから、私の前でもためらいなく服を脱いだりできるのよ。見た目は…大人だけど…)
見えてしまった卓也のペニスの残像が、なかなか頭から消えてくれない。
中学三年生で、大人のそれとなんら遜色はなかった。
裕貴も、もう…ふと、想像しかけて美穂は慌てて頭から振り払う。
「きゃっ」
自分の部屋から聞こえた美穂の悲鳴に、裕貴は思わず立ち上がる。
「どこ行く気だよ」
豪が裕貴を睨みつける。
「まだ、何もしねえって。反応見てるだけだからさ。ジャブだよ、ジャブ」
そう言って、真司と顔を見合わせて笑う。
(ジャブ…?こいつら…何、考えてるんだ…?)
裕貴の不安はどんどん膨らんでいく。
少しして、裕貴のスウェットを履いた卓也が美穂とリビングに戻ってきた。
「裕貴の服借りちゃったよ。俺にはちょっと短いけど」
卓也は足首の見える裾を豪と真司に見せびらかして、おどけた表情を作る。
「卓也君達、もし、よかったらだけど、今夜晩ご飯食べて帰らない?洗濯が乾くまで時間あるし、せっかく来てくれたんだもの」
(マ、ママ、余計なこと言わないで…)
美穂は裕貴の心配などまったく気に留めていないようだ。
「いいんですか?なんか悪いですねぇ」
卓也達は願ったり叶ったりといった表情でニヤついている。
「だったら、今日泊めてもらっちゃおうかなぁ」
卓也の投げかけに美穂は笑顔で頷いた。
「いいわよ。ね?裕ちゃん」
「う…うん…」
裕貴は暗澹たる気持ちになった。
しかし、裕貴もまだわかっていなかった。
卓也達の真の狙いについては…。
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