『39』
「おい、シカトすんなよおばさん!こっちが誘ってやってんだ、何か言えよ!」
幸子は溜め息を吐くと、仕方無く口を開いた。
「お誘いは嬉しいわ。でも先客がいるの。それにあなた達も言った様に私みたいなおばさんを誘っても愉しくないでしょ?他を当たってちょうだい」
子供に興味は無い、そんな態度で幸子は二人に言い放った。
しかし、それで諦める者達ではなかった。
「ふん、すげぇキツイ女だな。でも、益々気に入ったよ。俺達好みの女だ」
二人は少しも臆せず、幸子に歩み寄る。
「・・・もしかして先客って、今トイレに入ってきた奴?まさか、旦那とか?」
「えぇ、そうよ」
「えっ、マジかよ?嘘だろ、あんな男が趣味なの?」
一瞬、その言葉に反応したが幸子は怒りを抑えた。
男達は更に続けた。
「あんなのが旦那じゃ満足出来ないでしょ?旦那なんかほっといてさぁ、俺達とあっちで愉しもうぜ」
一人が指を差した方向は、進入禁止の看板が掛けられた扉だった。
「この先はさぁ、いつも誰も来ないから俺達の溜まり場になってんだ。あっちならどれだけ声を出しても聞こえないし。あんたのそのヤラシイ身体、持て余してんだろ?俺達ならいくらでも相手してやるから」
幸子を取り囲み、二人は幸子の身体をまじまじと眺めている。
「この胸ってさぁ、パッド入れてると思うか?」
「いや、これはどう見たって本物だろ。それよりケツの方に入れてんじゃねーか?」
二人はそんな恥辱的な発言を続けながら、突き出た胸や尻を視姦していく。
どうやら冗談ではなく、本気のようだ。
「あなた達・・・いい加減にしなさいよ」
威圧する様に、幸子は二人を睨み付けた。
だが、幾ら何でも男二人が相手では分が悪い。
「いいねぇ、その目。たまんねぇなぁ。こんなに興奮すんのは初めてだ。なぁ?」
「あぁ。あんたにその気が無くてもこっちはもう我慢できねぇんだよ。・・・いいから来い!」
二人は理性を失った様に、幸子の手首を掴むと強引に連れ込もうとした。
「ぃや!・・・やめなさい!」
抵抗するも男二人の力ではどうにもならず、幸子は最悪の事態を想定せずにはいられなかった。
するとその時、救世主とも言うべき人物が幸子の目の前に現れた。
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