『32』
一ヶ月程前の猛暑は過ぎ去り、過ごしやすい季節がやってきた。
九月中旬の夜、さすがに夜にもなれば肌寒さを感じる。
そんな事などお構い無しに、夜空の下には一人の怪しい影があった。
慣れた様に足音を消し、いつもの定位置に着く。
台所の窓に掛けてあるブラインドの隙間から、怪しく覗く卑猥な視線。
その人物が見つめる先には絶世の美貌を誇る女弁護士、牧元幸子の姿があった。
そしてこのストーカー行為を繰り返す人物とは、もちろん典夫だ。
あれから、毎日の様に帰宅後の幸子を視姦しては扱く事が日課となっていた。
幸子はスーツから私服に着替え、料理を作っている。
服装は、黒いインナーに濃い目のジーンズとカジュアルだ。
軽い着こなしだが、ファッションセンスを感じさせるのも幸子の魅力の一つだろう。
この姿だけであれば、どこにでもいる普通の主婦に見えるのかもしれない。
いや只一つ、この美貌だけは誰にも劣らないものだ。
(ハァハァ・・・幸子~、いくぞ!)
早くも、典夫の剛棒から濃厚な白濁液が放たれた。
しかし、不思議なものだ。
以前から性欲は強いはずだったが、幸子に出会ってからは異常だった。
きっと、幸子という女が潜在力以上の性欲を呼び起こしているのかもしれない。
典夫は、休む暇もなく扱いた。
そうしている間に幸子は料理を作り終え、家族団欒の晩御飯が始まった。
普段、事務所で典夫には見せない笑顔で会話を交わす幸子。
典夫は、こんな時の会話も聞き逃さなかった。
どこにチャンスが転がっているか分からないからだ。
もしかしたらたった一言で幸子を手込めにできるヒントがあるかもしれない、そう思うと何気無い会話も聞き逃すわけにはいかなかった。
焦らず時がくるのを待とうと自分に言い聞かせてきたが、すぐにでもチャンスがあるならそれに越した事はない。
とはいっても、幸子に隙は全く見当たらなかった。
何度も貞操の危機を潜り抜けてきた幸子に、死角は無かった。
(くそっ、早くあの身体をメチャクチャにしてぇ!)
典夫は自分をなだめる様に、剛棒を扱く力を強くした。
そんな中でも、典夫は幸子達の会話に耳を傾けた。
「明日は来れるんだよね?」
「えぇ、もちろん行くわよ」
晶の質問に、幸子が答えた。
幸子の言葉に、晶の表情が和らいだのが分かった。
明日は日曜日、晶の高校の学園祭なのだ。
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