『30』
一つ目の明かりの点いた窓にはカーテンがあった。
すると、何やら声が聞こえてきた。
耳を澄ませて聴いてみると、電話をしている様で若い男の声だった。
ここは恐らく息子の部屋だと推測した。
次へ移動していく典夫。
二つ目の明かりの点いた窓に到着した典夫は、ゆっくりと中を覗いた。
だがこの部屋もカーテンがあり、中を確認する事は出来ない。
テレビの音が聞こえてきたので、ここは居間なのかもしれない。
典夫は思わず溜め息を吐いた。
簡単に上手くはいかないと想定していたはずだった。
しかし、やはり期待していたのも確かだ。
典夫は気を取り直し、外壁に沿って進むと角を曲がった。
最後の壁面、明かりの点いた窓は一つだけ。
これが最後の窓、ここで駄目なら諦めるしかない。
典夫は窓の下に移動し、祈るように顔を上げた。
どうやらカーテンは無さそうだ。
だがブラインドが掛けてあり、ここも覗くには至らなかった。
やはり幸子に対する邪な想いは神には届かなかったかと諦めかけた典夫だったが、一筋の光が典夫を照らした。
何とブラインドの下にわずかな隙間があり、覗けるではないか。
しかも、暗い夜であればよく目を凝らさなければ気付かない程の隙間だ。
最後の最後で絶好の覗きスポットを発見した典夫に、再び興奮が甦った。
(ここは何処だ!?幸子は!?)
中を確認してみるとテーブルや椅子、目の前にはシンクもある事からここは台所のようだった。
覗ける窓から見て、正面奥には引き戸があった。
位置からすると先程、居間と推測した部屋だろう。
斜め右奥にも扉があり、ここは開いていた。
この窓からも、その先が見える。
廊下があり、その奥は玄関のようだ。
すると、いきなりそこの扉から待望の人物が現れた。
幸子だ。
(おぉ!)
典夫は声に出したい程、心の中で叫んだ。
まだ私服には着替えておらず、スーツ姿のままだ。
典夫の興奮は最高潮に達し、当然の様にいきり立った剛棒を扱きはじめた。
エプロン姿の幸子は新鮮だ。
料理の手捌きも見事でさすがに妻であり、母親でもある女だと認識させられる。
生活感を感じるこんな姿も典夫には興奮材料だった。
すぐ目の前で料理をする幸子は全く気付いていない。
(あぁもう駄目だ!・・・幸子!)
典夫は溜め込んだ精液を豪快に吐き出した。
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第二章 妻として、母として