『18』
幸子がこの町に事務所を設立した理由は、幸子と弥生の会話を盗み聞きして分かった。
典夫には話さなかったが、弥生には家族の話を楽しそうにしていた。
恐らく家族の元へ戻ってから撮った写真と思われる、こんなに笑顔になるだけ家族との生活が待ち遠しかったのだろうと幸子がここに事務所を設立したのも納得できた。
しかし、写真に写る笑顔の幸子とは反対に典夫は不快感を露わにしていた。
(俺の前でこんな顔した事ないのに。幸せそうな顔だ・・・これが旦那か。こんな男に幸子を満足させる事が出来るのか?・・・くそっ、俺の方が幸子に相応しいはずだ!)
いっそのこと、写真を破いてしまおうかと思ったが何とか我慢した。
だが幸子に対するこの卑猥で邪な感情は、いきり立った剛棒に表れているように抑えきれないでいた。
そして何か無いかと辺りを見渡した典夫の目に止まったのは、幸子のイスだった。
典夫は本能のまま、そのイスに顔を埋めた。
黒い革製のイスにグリグリと顔を押し付け、ハァハァと息を切らしながら嗅いでいる光景は異様だ。
しかし、これこそ典夫が幸子という女を長年狙い続けてきた歪んだ感情なのだ。
しかも、まだ温もりが残っているではないか。
革の匂い以外に香りはしなかったが、確かに幸子が数分前までここに座っていたという温もりがあった。
(ここにあのいやらしい尻が!)
先程までボリューム感のある幸子の尻が密着していたであろう箇所を執拗に舐め回し、典夫の剛棒は限界に近付いた。
これ以上耐える事は、典夫の現在の精神状態では不可能だった。
もしも今、幸子がこの場に現れたら後先考えずに襲いかかるに違いない。
典夫は剛棒の先端を温もりの残るイスに押し付け、腰を振りはじめた。
本物の幸子の尻肉に突いているような感覚に襲われるほど、典夫は陶酔していた。
数秒後、典夫は頂点に達した。
身体が硬直した瞬間、おびただしいほどの精液が放出された。
濃厚で大量の白濁液がぶちまけられ、幸子のイスは無惨にも精液にまみれた。
典夫は身体の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
快感に酔いしれる典夫だったが、さすがに冷静になると自分の行動の異常さに驚いた。
実際に幸子を手に入れた時、一体どうなってしまうのだろう。
だが、幸子への淫猥な感情がより増した事は言うまでもなかった。
改めて、何としても自分の物にと心に誓う典夫だった。
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