『87』
皮肉なものだ。
幸子自身は微塵も感じていないのに、身体は言う事を聞かず、どんどん淫乱になっていく。
しかし、典夫にとってはかえって好都合だった。
嗜虐心の強い典夫からすれば、幸子が堕ちずにいた方が犯し甲斐があるからだ。
抵抗してもどうにも出来ず、幸子の自尊心をいたぶり続けられる。
典夫にとって、それ以上の興奮は無い。
だが、それは今後の事だ。
とにかく今は、幸子を徹底的に犯さなければいけない。
典夫は、ゆっくりと腰を引いた。
根元まで打ち込まれていた剛棒が、少しずつ姿を表してくる。
これだけの構造だ、いきなり速度を早めればすぐに誤爆してしまうに違いない。
典夫は、慣れるまで低速で腰を動かした。
一方、幸子は最初に悲鳴を上げてから声を発していなかった。
声が出ない程、ショックだという事だ。
由英にしか許した事が無かった。
一生、由英だけと心に誓っていた。
そんな幸子の貞操を、こんな男に無惨に破られてしまったのだ。
ショックで、声が出ないのも当然だ。
幸子は、目を閉じて眉間に皺を寄せた悲愴な表情のまま変わらなかった。
それを血眼になって、西尾は見つめている。
遂に幸子の秘部へ、あんなおどろおどろしい物が襲いかかった。
西尾の剛棒の先端も、既に濡れているのは言うまでもない。
今か今かと待ち焦がれる西尾だった。
そんな中、典夫はようやく速度を早める事が出来た。
予想以上に、幸子の膣内の構造は手強い。
ネットリと絡み付き、逆に典夫の剛棒に襲いかかってくる様だ。
すると、幸子の口からうっすらと喘ぎが漏れてきた。
「んっ・・・んっ・・・」
表情は相変わらず険しいままだが、こんな所も幸子の意に反して漏れてしまうのだろう。
次第に、淫隈な音が大きくなっていく。
「ヌチャッ!ヌチャッ!」
お互いの淫液が混ざり合い、淫らに奏でている。
そして、それに呼応するかの様に幸子の喘ぎもはっきりと聞こえてきた。
「アッ!アッ!アッ!」
更に、幸子に打ち付ける「パンッ!パンッ!パンッ!」という乾いた音も聞き取れる。
どう見ても異様な光景だ。
田舎町の、しかもどこにでもある弁護士事務所の中で、三十を過ぎた男女が全裸で性行為をしている。
それを知っているのは、ここにいる三人の当事者だけ。
そして、そんな光景も遂に終わろうとしていた。
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