『37』
数時間、新幹線を乗り継ぎ幸子は遂に我が家へ戻ってきた。
「ただいま~!」
幸子のその声を聞き二人は玄関に出迎えにきた。
「おかえりなさい。あれ、何でスーツ姿なんだ?」
「えっ?・・・まぁいいじゃないそんな事!」
「そうだな。やっとお前が帰ってきたんだからそんな事どうでもいいか」
その言葉で幸子は忌々しい記憶を全て忘れた。
家に入ると早速家族の時間を楽しんだ。
幸子はこれから幸せな日々が始まるのだと胸を踊らせた。
だが、これから待ち受ける生活が本当の地獄の始まりなのだと幸子はまだ知らなかった。
第1章 完
※元投稿はこちら >>