『2』
牧元幸子(まきもとさちこ)、三十七才、既婚者で子供が一人、職業は弁護士。
それがこの女の正体だった。
そして、ここは幸子の個人法律事務所になる予定の場所だ。
男の卑猥な視線を感じつつも幸子は相手にしなかった。
その後、幸子は建物内の全てを見終わった。
(これなら大丈夫そうね)
幸子は満足し帰る事にした。
「それじゃあ最後までよろしくお願いします」
幸子はそう言うと出口に向かった。
男は名残惜しそうに幸子を見た。
もう少し独占したかったが相手は何といっても弁護士だ。
ヘタに手を出せば痛い目に遭う。
何より気の強そうな女だ。
セクハラ行為でもしようものなら黙っているわけがない。
男は後ろから視姦する事しか出来なかった。
尻のボリューム感は歩く度に確認できた。
どんな感触なのだろう、きっと柔らかく揉み応え充分に違いない。
そんな妄想に酔い男の股間は熱くなった。
当分の間、幸子をネタに扱くに違いない。
男は幸子の美貌を目に焼き付けた。
そんな事を考えているとも知らない幸子は建物を出た。
階段を降りると一階の駐車場に停めてある自分の紺色の軽自動車に乗り込み車を走らせた。
田舎町という事で大きなビルなどは無く車や人の通りも疎らだ。
だが、それでも町の中心部であるこの辺りは通勤時や帰宅時にはそれなりに車の通りも多くなる。
建物も多くあり幸子の事務所も道路沿いに立ち並んでいる建物の一軒だ。
田舎ながらも栄えている方だろう。
午後三時、この時間帯は車も少なく幸子はスムーズに車を走らせた。
数分後、幸子はある所で車を停めた。
この町で一番大きなスーパーだ。
事務所を見に来たついでに夕飯の買い出しに寄ったのだった。
スーパーに入ると早速買い物カゴを持ち妻であり母でもある幸子は慣れたように夕飯の材料を選んでいく。
そんな中で幸子が入ってきた瞬間、スーパーの中の空気が変わった。
特に男達は幸子の存在に気付くと目の色を変えた。
(この見慣れない女は一体誰なんだ)
(たまらない女だ)
妻の買い物に付き合わされた旦那や男の従業員達はそんな卑猥な事を思いながら幸子に熱い視線を送っていた。
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