『23』
「でも一番驚いたのは幸子、お前のそのスケベな乳だよ。まさかEカップで九十もあったとはなぁ。予想異常だ。早く本物のお前の乳を揉みしだきたいなぁ」
「・・・いい加減にして!人を苦しめてそんなに楽しいの!?」
聞くに耐えない言葉を連発させられ遂に幸子はキレた。
恐怖心はあるが持ち前の気の強さが幸子を支えていた。
だが、男はそれすら楽しんでいた。
「そんなに怒るなよ。だからマンコも臭いんだぞ」
クンクンとパンティを嗅いでいるのが分かった。
幸子の怒りは頂点に達し、ここまで侮辱を味わわせる相手に我慢できずにいた。
家族の事も構わず本当に警察に通報して徹底的に捜査させようとも思った。
しかし、幸子の様子に気付いたのか男は、
「どうやら本気で怒らせちゃったみたいだなぁ。まぁ本当に今日はこれで終わるよ。弁護士先生を怒らせると怖いからね。でも幸子、間違っても他言はしない事だ。怒りに任せると大事なもの全てを失う事になるんだからな。・・・じゃあ切るよ。愛してるよ幸子」
ようやく解放され受話器からはプープーという音だけが聴こえている。
幸子はその場に立ち尽くしていた。
今までの男達のようにはいかず手も足も出なかった。
どうしようもないジレンマに陥り何も出来なかった自分が情けなかった。
それと同時に精神的にもかなり疲れていた。
どんなに難しい裁判よりも感じた事のない疲労感だ。
その日、幸子はあまり眠れなかった。
疲れていても、またあの男が何か仕出かしてくるのではと安心して寝る事が出来なかったからだ。
気付けば外は朝日が昇っていた。
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