学校の御用納めがすんだ次の日、珠巳は、幸雄の待っ鎌倉に向かった。
それまで10日程の間、珠巳は、毎日学校で、二人の男、松原と中川に、順番に抱かれていた。
まず松原に抱かれ、すんだら中川だ。ねちねちと聞いてきて、最後は、勝手に終わってしまう中川に、珠巳は嫌悪を覚えた。
それでも、帰宅したら、隆とのセツクスに、いつも通りのめり込んだ。
久しぶりに会う、息子のことを思うと、珠巳の心は弾んだ。昨日は、旅行の準備があるとことわり、二人からは解放された。が、その分、隆と一晩中、セツクスにいそしんだ。
電車が駅に到着して、幸雄の姿を見つけた時は、思わず涙ぐんでしまつた。見ない間に、幸雄は見違えって、男らしくなっていた。
兄の家族と正月、団欒の楽しい時間を過ごした珠巳は、名残惜しいが本庄に帰る日がきた。
「いい人がいるなら、再婚してもいいんだぞ・・・」
駅に送っていく道すがら、珠巳の兄が呟いた。
「そんな人、いませんよ・・・」
珠巳は答えた。
「そうか・・・おまえも、まだ若いんだし・・・」
「もう、40ですよ・・・私・・・」
珠巳は言った。改めて、自分の年齢を強く感じた。
「十分若いだろう、このご時世・・・」
諭すように、兄が言った。
「おまえ、何か変わったぞ、いい人がいるなら、遠慮することはないぞ・・・」
珠巳が、女性の輝きを取り戻した、と、兄は見ているらしく、恋人が出来たのではと、思ったようだつた。
「その時は、・・・真っ先に言うわ・・・」
珠巳は言った。隆のことを言うわにはいかない。松原も中川のことも・・・
兄と幸雄に見送られ、珠巳は電車に乗り込んだ。
『ごめんね、・・・私、今、隆くんと暮らしているの。あなたは、きっと怒るでしょうね・・・』
幸雄に手を振りながら、珠巳は、思った。
『でも、もうどうしようもないのよ・・・こんなお母さんで、ごめんね・・・』
そう、心の中で呟きながら、珠巳は帰途についた。
帰りついたマンションで、珠巳は、すぐさま隆に抱かれ、次の日の明け方まで、思う存分、快感を謳歌した。
※元投稿はこちら >>