人気の無い筈の、学校の玄関で、珠巳は清水に会った。
「先生・・・中川と一緒だったの?」
『何を今さら・・・』
無言で、珠巳は通りすぎようとした。
「待ってよ、先生・・・」
追い縋るように、清水が言った。
「あなたには、関係無いでしょ!」
キツい一瞥をくれると、珠巳は言った。
「何でだよ、何で・・・?」
「あなたのせいよ!」
怒りを抑えて、珠巳は言った。
「あなたが・・・あなたが秘密を漏らすからよ・・・」
「・・・」
言葉もなく、清水は項垂れた。
「こうなったのは、みんな、あなたのせいよ・・・」
そう、卓治の家に、写真を送って、卓治を追いやった。珠巳に相手をしてもらい、有頂天になって、大事な秘密を、中川に掴まれたのも、みんな清水のせいだつた。
「あなた、伊藤君の家に、写真を送ったでしょ!」
「何のこと?・・・そんなことしてないよ・・・」
珠巳の怒りに、おどおどとして清水は言った。
「嘘おっしゃい!あなた以外、誰が知っているというのよ!」
「もう、つきまとわないで!」
珠巳は、そう言い残すと、さっさと、その場を後にした。
「先生!・・・」
背後から、泣きそうな、清水の声がした。でも、振り返ることもなく、珠巳は歩き去った。
その夜、狂ったようになって、珠巳は隆に抱かれた。その時の珠巳は、本当に、何もかも忘れてしまいたかつた。壊れてもかまわないと思った。
「今夜は凄いね、先生・・・」
人が違ったような、激しい珠巳に、満更でもなさそうに、隆が言った。
「ああ~つ、いい!いい!もっと無茶苦茶にして、あなた!」
髪を振り乱し、自ら腰を振り回して、珠巳は絶叫した。
「珠巳を壊して!狂わして!」
獣のような声をあげ、珠巳はヨガリ狂った。
「いいぞ、先生!」
珠巳に圧倒されながら、隆も激しい衝動に駆られ、激しく、腰を突き動かした。
「違う!珠巳、珠巳って呼んで!あなた!・・・」
「珠巳!珠巳!」
二人の激しいセツクスは、夜通し続けられた。夜が白むまで、二人の激しい喘ぎ声が、途絶えることはなかった。
「狂え!珠巳!狂え!」
「狂う!狂う!珠巳、狂っちやう!」
激しい快楽に身を委ねていても、破滅の予感を、珠巳は感じていた。
「珠巳!珠巳!」
「あなた!あなた!」
珠巳は、それを振り払い、忘れるかのように、没頭していつた。
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