「今日も暑くなりそうだなあ」和成は美沙子が昨夜用意しておいた半袖のワイシャツを着ると言った。
「明日の帰りも遅いんですか?」美沙子はポロシャツにスカート姿で聞いた。薄化粧の顔と大人しげな服装から、昨夜の淫らな美沙子は想像できない。胸元の大きな膨らみと、ピーンと張ったポロシャツの生地が微かに女体をうかがわせていた。
「出張は仙台だけど、現地視察もあるから帰宅は22時になるかもな」
「…判りました」
「まあ友哉も居るし。退屈しないだろ」何も知らない筈の和成の言葉にも、美沙子はドキリとした。
(セックスの声聞かれてたのに)
「お土産買ってきてやるから」和成は言い、家を出ていった。美沙子が洗濯をしていると友哉が起きてきた。「あ、おはよう美沙子オバサン」いつもと変わらぬ友哉だった。
「寝坊しちゃったよ。昨日は遅くまで起きちゃってたから」意味深な言い方で友哉は美沙子に言った。
「朝ごはんいいや。夏期講習に遅れそうだし」
「そ、そう」
友哉は慌ただしくスニーカーを履いた。
「オジサンもう出張に出掛けたんでしょ。…今日は早く帰るから」友哉は言い家を出ていった。友哉の態度から、昨夜のセックスを聞いていたのかはよく判らなかった。
(はやく帰るから)美沙子は友哉のその言葉に一抹の不安を覚えた。
今夜は友哉くんと二人きり。買い物に出掛けても美沙子はそのことが頭から離れなかった。(まさか襲われてレイプ)そんな想像さえしてしまった。夕食のしょうが焼きの用意をしていると、友哉が帰宅してきた。18時前に帰ってくるのはいつもより早かった。
「ただいまあ~」
「お帰りなさい」
美沙子が返事を返すのも聞かないほど早く友哉は自室に入っていった。
(友哉くんお勉強熱心なんだ)二人きりの夜を気に掛けながらも美沙子は思った。夕食のしょうが焼きが出来た頃、友哉が自室から出てきて2人して食べた。何気ない会話をしながらも美沙子は昨夜のセックスのことが気になっていた。
「…犬みたいだね」
「え?なにが」
「美沙子オバサンが逝く時の声」友哉が夕食を食べ終え言った。
一瞬、美沙子は言葉に詰まった。(犬だなんて)
「会話も全部聞こえてたよ僕のこと話してたでしょ。セックスしながら」友哉は美沙子の胸元の大きな膨らみを見ながらニヤニヤして言った。
「そ、それは」美沙子は困惑した。(やっぱり聞かれていたのね)緊張した。
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