(わたし、なんてことを・・・)
後悔の念は数日経っても心の中にシコリのように留まり続けた
(あの人、わたしをあんな目で・・・)
睨むような激しい視線は、由美の心の中で羞恥の象徴になりつつあった
(わたし、あんないやらしい・・・)
けれど由美の心の中に最も強く残ったのは肉欲と快楽と刺激だった
(感じちゃダメ・・・あんな男・・・あんな目・・・)
それは強く否定すればするほど熱を増していった
震えるほど強い後悔は、いつしか思い出しただけで熱くなる肉欲になる
そう感じてはいけない、そんな思いを抱いてはいけない・・・けれど由美は止めることができなかった
(ダメ・・・こんなのはダメ・・・)
思いつく事さえ罪悪感を感じる言葉が、胃の底あたりからゆっくりと登ってくる
(これじゃまるで・・・)
それは屈辱的で、けどそれ以上に魅力的に感じる
(わたし、まるで・・・ヘンタイみたい・・・)
その言葉を頭に浮かべた瞬間、心臓がドクンッと強く跳ねた
いつの間にか、由美はソファーに座ったまま両足を伸ばし自分の体を触っていた
次の週の週末、公園のベンチに座り由美は黄昏ていた
今週は回覧板のない週らしく、管理人は家を訪ねてはきていない
由美は、その事を残念に思っている自分に気付いてからの数日、一度は受け入れかけた自分の性癖についてまた悩み始めていた
自分はいったいどうしてしまったのか
反応してしまう自分の体が信じられない
けれど現実に体は熱くなる
そして、そうなりたいと考えてしまっている自分がいる
ベンチに座り、ため息のような吐息を吐いた
ついさっき送り出した旦那の顔を思い出そうとしたが、管理人の熱い視線の記憶がそれを邪魔する
そんな自分に罪悪感が強まり、体はいつの間にか熱くなり始める
ジャリ・・・
小石の擦れる音が聞こえて由美は顔を上げた
いつの間にか日は高くなり、遠くには車の音が聞こえていた
辺りを見渡すとベンチの前の遊歩道を、こちらに向かって歩いてくる男が見えた
男は40半ばほどだろうか・・・サラリーマンではありえないジーンズにTシャツといういでたちだった
由美は特に何も気にせず、また視線を落として後悔を始める
ジャリ・・・ジャリ・・・ジャリ・・・
近づいてくる足音を聞くでもなく聞いていると、ふとそれが自分の正面で止まったことに気がついた
(なんだろう・・・)
そう惚けながら考える由美の目に、自分の足がうつっていた
由美の足は、その膝と膝が10センチほど離れていた
(・・・え?)
由美の思考が、先日の後悔から今の状況にうつる
(・・・まさか、見えてるの?)
そんなはずはない・・・そう思い込もうとしても、疑念は強さを増し続ける
(わたしを・・・見てるの・・・?)
由美は、意識して顔を動かさないようにしながら目だけで男の方を見た
男の腰より上は見えなかった・・・
しかし、その両足は由美の方を見ているとしか思えない角度に並んでいた
(だめ・・・見ないで・・・)
強く強く願った
願いながらゆっくりと顔を上げていった
モット ヒラケ
男の顔を見た瞬間、そう怒鳴られたような気分になった
ハヤクシロ
アニメに出てくる悪魔のような声が頭の中に鳴り響いた
ミセロ
(だめ・・・)
心の中で強く念じた
アシヲ ヒラケ
(いや・・・そんなのダメ・・・)
何度も自分を説得した
・・・けれど由美は顔を伏せた
ゆっくりと目を閉じ、ゆっくりと右足をズラした
(ダメ・・・こんなことしちゃいけない・・・)
けれど足が1ミリ開くごとに、後頭部は熱くなり体の芯は濡れていった
(いや・・・見ないで・・・)
願いながら目を開け、ゆっくりと顔を上げていく
由美の顔が正面を向く頃、男は由美の股間に向けていた視線を由美の顔まで上げた
男の視線が由美の瞳に刺さり、突き抜けて脳に到達する
由美は無意識に体重を少しだけ右側に移し、少しだけ左足を浮かせ開いていった
(ダメ・・・ダメ・・・見ないで・・・)
由美は頭の中で懇願しながら左足をいっぱいまで開いていく
広がっていく足の上で、薄い生地のスカートが捲れていくのを感じていた
左足の膝の裏がベンチのヘリに当たって止まる
由美の視線は目の前で自分の股間を覗く男に注がれたまま、男の視線が熱を増していくのを見ていた
男の視線は針のようにクリトリスに刺さり、上下に左右に揺れ動いていた
それは触れないまま、愛撫のように由美に快楽を感じさせた
由美は体重を左足に移し、今度は右足を開いていった
どのくらいそうしていたか・・・
何も考えられないほど熱くなった頭で、男の口元が少し緩むのを感じた
男は右足を由美に向いて踏み出す
ジャリ・・・・・・ジャリ・・・ジャリ・・・・・・
一歩ずつ、ゆっくりと由美に近づく音
犯される・・・由美はそう感じていた
この男に今から抱かれる・・・自然とそう確信していた
男は由美の足の間に立つはずだった
見せつけるように顔の前でチャックを下ろし、目の前で下着の中からチンポを引き抜き、、、腰を屈めながら由美の下着をずらし、何も言わず挿入するはずだった
・・・しかし、そうはならなかった
男は確かに由美のほうに歩いたが、頭を振り周囲を確認して方向を変えた
悔しそうな怒りの目で由美を一瞥し、そのまま歩き去った
由美は男が見た方に目を向け、スーツを着た男が歩いてくるのを見て足を閉じた
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