道案内をする間、圭吾はかおりの免許証を取り上げ名前を確認した。「かおりさんって本名だったんだ」風俗店での名前のことを言われ、かおりは苦渋に瞼を震わせた。
かなりの距離を走った。街並みが変わり、繁華街を抜けると圭吾は「そこ右に入って、それからゆっくり走って」と言った。
ゆっくり右折するとそこはラブホテルが並んでいた。(ああ、どうすればいいの)かおりは思いながら車を停めた。
「その二軒目に入って」圭吾が言った。以前にホテヘルで入ったことがあり部屋を知っているラブホだった。
「さあ行くんだ」
圭吾は緊張しながら言った。(ヤバい膝が震えてるよ)かおりにこのまま警察に通報されると、捕まってしまう。だけどもう引き返せない。そう考えた時、車が動き出した。
(逆らえない。あの風俗の動画を持たれている限りやっぱり逆らえない)かおりはアクセルを踏みラブホの入り口をくぐった。
(やった。後は部屋まで行ければ確実に犯れる)駐車場にミニクーパーが停まると圭吾は黙って降りた。一瞬逃げるかと思ったが、かおりは車から降り圭吾に付いて来た。
(足がガクガクしてるの気付かれないかな)部屋は空いており、すぐに入れる二階にしてエレベーターに乗った。かおりは俯いたまま無言で付いて来ていた。
部屋に入り、チェーンを掛けた。圭吾は安心感と同時に、憧れの人妻を手に入れた興奮を覚えた。ベッド端に並んで座った。
「僕、あのスーパーでバイトしてて奥さんのことよく見掛けてました。美人だなって」
「それで、あの店に行ったんですか」
責めるようなかおりの口調に圭吾は少したじろいた。
「ち違います。セレブな街にあんな風俗店があるから、興味がわいて。そしたら…奥さんが」
奥さんと言われ、かおりは身を固くした。圭吾は胸元を抱え不安げなその姿に…大きな胸元がさらに盛り上がり、襲いかかりたい衝動を我慢した。
「警察に電話したのも、奥さんをあんな風俗店で働かせたくなかったから。よく判んないけど事情があるんでしょ」
「そ、それは」
「言わなくていいよ。あの店うまく潰れてくれたし」
しばらく二人の会話が途切れた。(言い出さなくちゃ)かおりは決心して言った。
「その動画を削除して下さい。削除してくれたら…なんでも言うこと聞きますから」この男の子が自分の身体を狙っているのは確実だった。(抱かれれば全てが済む)かおりはそう思った。
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