金曜日、園田圭吾はネットで見つけたあの風俗店の前にいた。会員制で高級店、日の高い午後からなんて初めてだった。
(看板もなかったし、二階はエステサロンみたいだったな)一軒家の一階は広い駐車場で、その奥が入り口。圭吾は受付を済ませると(なんか黒服の店員なんてキャバみたい)部屋に案内された。
広いフロアみたいだったが、その中にまた部屋が作られているようで、壁沿いに1m幅の通路があり一面にはドアが並んでいた。圭吾はドアのひとつを開け入った。
狭いネットカフェの部屋みたい。ソファーにお決まりのテッシュボックス、ただ目の前は全面ガラス張りのようでその向こうは小さなステージになっていた。
圭吾はソファーに座るとステージを観察した。ステージを囲むように、同じ部屋が5部屋あった。マジックミラーなのか、隣の部屋の中は見えなかった。うっすらと男の人影が見えた。
金曜日、一ノ瀬かおりはミニクーパーをいつものスーパーの駐車場に停めた。(何故だろう、いつもより丁寧に化粧をしてしまったなんて)かおりは思った…風俗店で働かせられるかもしれないのに。フリルの付いた淡いピンク色のブラウス、胸元がぴったりし過ぎて膨らみが目立つのに。スカートも短い、下着は白色のお揃い、花模様が刺繍されパンティはかなり小さめ。(期待なんてしていない)かおりはそう思いながらも身体の疼きを感じていた。あの気絶してしまうほどの快感、いや私そんな女じゃない。かおりはエステスペース華のドアを開けた。
「本日はよろしくお願いいたします」店長の田村裕美が言った。スラリとした女優のような美人、大きなつり目の瞳はSぽい印象をあたえていた。
「心配なさらないで。私と神代ふたりでサポートしますから」裕美の横で神代さやかが微笑んだ。
「ふ…風俗…みたいな行為をするんですか」
「男性のお相手ではありませんから。アルバイトのおつもりで」
「じゃあ何を」かおりが不安げに聞いた。
「動画の削除の件お忘れなく」かおりの質問には答えず、店長の裕美は言うとかおりを促した。(どうなってしまうの、だけどあの動画だけは削除してもらわないと)かおりは二人に店の奥に連れていかれた。
先週エステを受けた部屋を通り過ぎ、関係者のドアを抜け倉庫奥にあるドア前で「私たちは着替えてくるからお待ち下さい」二人は言いかおりを残していった。
「お待たせ」帰ってきた二人はバニーガール姿だった。
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