今日はホテルのランチ…いつも3人組みでかおりはイタリアンを食べていた。
「パスタも少し飽きちゃったよね。イタリアンって今一ワンパターンね」
「ワインさえあれば良いんじゃない。まあかおりはあのちっちゃい車だから飲めないけど」
「ミニクーパーょ、もう馬鹿にして」
一ノ瀬かおり以外の友人はこのレストランまでタクシーで来ていた。運転するのはかおりだけ、帰りは2人を送らされるのだけど。
デザートとコーヒーが運ばれて来た。しばし3人はすまし顔で黙り、店員が居なくなってからまた会話を再開し始めた。
「ねえ、この間のエステサロン覚えてる」
「覚えてるよ、あのVIPRoomでしょ」
友人2人の会話にかおりはドキリとした。
「新しい情報。あのVIPRoomで逝かされた女性ね…」友人が声を潜めて話した。「風俗のお仕事強要されちゃうんだって」
「やだ~嘘」
興味津々で声を上げる友人の隣でかおりは冷や汗をかいた。
「ふ風俗って、どういうことなの?」かおりは聞いた。
「なんでもVIPRoomでの性感マッサージが盗撮されてて、そのDVDを買い取るか風俗で働くかなんだって」
「嘘~まじヤバ過ぎ」何も知らない友人が楽しそうに話した。
(どうしよう、まさかあの気絶した姿を盗撮されていたら)かおりは思うと、寒気が走った。
「それで、貴女風俗しちゃったの?」
「まさか。性感マッサージだけでVIPRoomには入ってないって言ったでしょ」
「ん…かおりどうしたの?」黙り込んだかおりに友人が聞いた。
「まさかかおり、あのエステサロンに行ってたりして」友人が聞いた。「行ってないわょ!もう!」かおりは言いながらも内心焦っていた。友人との会話にも気が入らず、一ノ瀬かおりはあのエステサロンにまた行くべきが悩んだ。
エステスペース華…
かおりはまたスパーマーケットの駐車場にミニクーパーを停め、店の前に立った。ゆっくりとドアを開けた。「いらっしゃいませ」若い女性店員の声…
「あら、一ノ瀬様。ご来店ありがとうございます」受付に座っていたのは、この間かおりの相手をした神代さやかだった。
「こ、こんにちは」
「さあ奥にお入り下さい」神代さやかに促され、かおりはまた狭い応接間に通された。
「もうそろそろお見栄になられるかと思っておりました」さやかは言うと、iPadを取り出しかおりの前に置いた。
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