(続き……)
★ ……男子トイレで、眞澄の香水の残り香を確認した途端に、股間が痛い程に硬く、熱くなり、冷や汗をかく程の焦燥感を覚えていました。
そして、頭の中には、妻とあの男が繋がっている姿が浮かんでいたのでした。
……私は、異常な興奮と嫉妬感を覚えながら、札幌の自宅へと向かっていました。
……私が、呑気に車の中で日ハム戦を見ていた隙にも、しっかりと妻とあの男は出来上がっていたのです。
しかも、あんな公衆便所で……
私は、この上ない惨めな気持ちでした。
……自宅に着いたのは5時半過ぎでした。
家に着くなり、ぐったりとソファに横になりましたが、まだ心臓がどきどきしていました。
…約束の7時までは1時間余り、おおよその見当は付いていたものの、気持ちのどこかでは妻の言葉に一縷の望みを繋いでいたのでした。
…何だか、金縛りにでもあったかのように動けず、そのままソファの上でぼーっとしていました。
…掛時計を見ると、ちょうど7時を指していました。
(やっぱりか…)半ば諦めてはいたものの、落胆はさらに大きくなっていました。
…!…そんな時でした、私の携帯が鳴りました。
ディスプレイには、眞澄が表示されていました。
「もしもし、もしもし!」
「…貴方、ごめんなさ~い、7時まで帰れなくって…」
「今どこだ!どこに居るんだ!」
「…今ぁ…ススキノの居酒屋よ…あの後ねぇ、夕食も一緒にって誘われちゃったから、みんなで居酒屋さんに居るのぉ…」
電話からは、ざわついた音が聞こえ、眞澄はかなり酔っているようでした。
「…一体何時になったら帰ってくるんだ?」
「…そうねぇ…今、7時半でしょう…もう少しご馳走になって…9時頃かなぁ、それまでには帰れると思う
わ…(…奥さんも悪だよねぇ旦那に嘘ばっかりついて…
そんな時間に帰れる訳ないだろ、本当の事教えてや
んなよ…)…(ちょっとぉ、うるさいわよ、静かにしてなさいよ…)…
「お前、昼間から一体どれだけ飲んでるんだ!もういい加減にしとけよ…」
「…このおビールで10杯目かしら、みんなとっても強いから一緒に飲んでて楽しいのよ、こんなに飲んだ
の久しぶりだから、とっても気持ちがいいのよ…(後からもっと気持ちよくしてあげるからね…)…(あっちの方はもっと強いからね…)…(ちょっとぉ、うるさいって言ってるでしょ、聞こえちゃうでしょ
…………」
…電話が切れました、私から眞澄にかけても、今度は繋がりませんでした。
……携帯から聞こえてきた男達の猥雑な話に、私の嫉妬心と混乱に拍車をかけたのですが、あえて遅れた事を連絡してきた妻の言葉に、かすかな期待をしていたのも事実でした……しかし…今思えば、この電話でさえ、私を動揺させるために男達の仕組んだ単なるゲームの一つでした……
……少しでもこのやり切れない気分を変えようと、シャワーを浴びる事にしました。
この日の忌まわしい思いを断ち切ろうとして、ゆっくりと1時間程もかけてシャワーを浴びたのを覚えています。
…浴室から出たのが8時40分を回っていました。
バスローブを羽織り、意味もなくテレビをつけ、さほど飲めないハイボールを片手に、再びソファの上でぐったりとしていました。
……9時……9時半……10時……壁時計の針は刻一刻と時を刻み、11時…私はこの頃にはある意味、観念をしていました。
あの街の道の駅についてからの全ての出来事が、現在の状況に繋がっていたのですから……
……そうして、11時半……12時と私の気持ちをまるで嘲笑うかのように時は進み、この頃には、1日の疲れが一気に出たのか、やや眠気を催しうとうととし始めていました。
……すると、12時半を過ぎた頃、再び携帯が鳴ったのです。
眞澄からでした……
「もしもし!もしもし!9時って言っただろう!9時って!」
「……先程はどうも…まだお休みじゃあなかったんですか?…」
…男の声でした。
「………」
「そうですよねぇ…こんな時間まで戻らなければ、さぞかしご心配で眠るどころではありませんよねぇ……」
「…何だお前は…妻の携帯で…一体どこからかけてるんだ!」
「…我々ですか?…今、奥さんと一緒に中の島のラブホテルに居るんですよ…」
「なっ、何だとぉ!!」
「…ご心配でしょう?奥さんの事が?……大丈夫ですよ…ほらっ…」
(…あっ、あっ、あぁぁ!いい~!いい!もっと!もっと突いて!もっと激しくしてえ!…)
「…ねっ、こんなに元気ですからご安心ください…我々の方が却って圧倒されてますよ…もう少し確認しますか?……」
(…はっ、はっ、はぁぁ!いい!いい~!すごぉくいいのぉ!だめぇ!だめぇ!いくう!いくう!きてぇ!きてぇ!ねぇもうきて~!!…)
(…おい、そろそろ逝かしてやれよ…)
(じゃあ奥さん、そろそろ逝ってみようか、ほらっ行くよ!おらっ!おらっ!!)
(あああ~!あああ~!すごい!すごい!あん、あん、あん!いく!いく!いっくう~!!あああ~!………)
(………………)
(…フワッハッハッ、この奥さん痙攣してるよ…)
(お前のがよっぽど良かったんだろうよ…)
(ほらっ、休まないで奥さんをもっと気持ち良くさせてあげろよ、次!次行けよ!)
(奥さん、ほらっ、次は上だよ、上に来てご覧…)
(…………………………)
(…あっ…あっ…あぁぁ!あぁぁ!あたるぅ!あたるぅ!下からあたるわ~!いっ、いっ、いぃぃ!いぃぃ~!)
(…凄いねぇ、もう自分から腰振っちゃって、おまけにおっきなオッパイがぷるんぷるん揺らして、もう堪んないよ奥さん…)
(だって…だっていいんですもの、貴方のが…貴方の硬いのが下からずんずん当たるんですもの…あぁぁ!あぁぁ!あああ~‼…)
「…奥さん、凄いですよねぇ…ご主人の時もいつもこんなに激しいんですか?」
「………」
「…それとも、いつもはこんな風にしてあげてないのかな?…しかし、こんな魅力的な奥さんを持ったご主人が羨ましい限りですよ、独り占めは良くない…いいですよねぇ?我々がこうして楽しんでも?…」
「……お前、こんな事して何が面白いんだ!…」
「…何が面白い?…そうですねぇ、人の何とやらは蜜の味と言いますからねぇ…実に面白いですよ…こんな事はねぇゲームなんですよ、ゲーム。奥さんだってこんなにも楽しんでるんだから…大人のゲームと割り切ればいいんですよ…」
「…ご主人だって満更でもないでしょう?奥さんがこんなにも喜んでいる声が聴けて…ねぇ、実際のところどうなの?旦那さんは?…」
「………」
「…ほう…答えたくない?…それとも悔しくて惨めで答えられない?……じゃあ、眞澄に聴いてみようか?」
「………」
(おい、眞澄に旦那とどっちがいいか聞いてみろよ…)
(奥さん、俺達のと旦那さんのとどっちがいいの?)
(……いやぁん…そんな事言わせないでよ…)
(あっそう、素直じゃないねぇ…ちゃんと教えてくれないと抜いちゃうよ、それでもいいの?…ほらっ…)
(いや!いや!だめ!抜かないで!言うわ、こっちよ、
こっち!あなたの硬いおちんちんの方がずうっといいの!比べ物にならないわ!ねぇ、だから、だめよ!抜いちゃいやよ!)
(最初から素直にそう言えばいいじゃないか…分かったよ、また挿れてやるよ…おらっ!おらっ!)
(…あぁん…あぁん…あっ、あっ、あああ~!いいっ!いいっ!もう抜かないで!ああん!あぁぁ~!)
「…さっきからずうっとこんな感じですわ…本当に性
欲旺盛な奥さんだ…この分じゃあ、我々も朝まで寝かせて貰えませんわ、ハッハッハッハッハ……」
「……何が夕食までには帰すだ…最初からそのつもりだったんだろう…嘘つきやがって、この卑怯者
が……」
「……夕食までに帰す?…誰が今日の夕食までって言
いましたか?……明日の夕食までのつもりだったんで
すけどねぇ、幸いにも今日は土曜だし、明日まで奥さんをお借りした筈なんですが…違いましたか?…」
「何この野郎!人を馬鹿にするのもいい加減にしろよ!」
「…おやおや、そんなに興奮して穏やかじゃないです
ねぇ、大体ねぇ眞澄とははなから合意の上なんですよ、あんただって俺と眞澄のこと、ずうっと見てたん
だろう…そんな2,3時間で帰るわけないだろう…ガキじゃあないんだから、それ位分かりますよねぇ?…」
「……盗っ人猛々しい奴だ…人の女房に勝手に手だしやがって…大体…あんな公衆便所でまで…この下衆野
郎……」
「…おやおや、それは聞き捨てならないですねぇ、あれはねぇ最初に奥さんから誘ってきたんですがねぇ…
私がちょっと眞澄の大事な所を撫でてあげたら、もう我慢出来ない、ずうっと欲しかったって言うものですから、取り敢えず鎮めてさしあげたんですよ…逆に私が誘われたようなものだ…それでね、眞澄はこの通り声が大きいでしょう…あんな所でまで喘ぎ声を上げるものだから…お陰で、他のお客さんにまで聞かれて恥ずかしい思いをしましたよ…それにしても私と眞澄があそこで愉しんでいた事をご存知でしたか……そうかぁ、眞澄の香しい香りが残っていたんですかねぇ…
なぁんだ、その時点で私と眞澄は、ご主人公認って事じゃあないですか、ハァッハッハッハ……」
(続く………)
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