喜久子に電話をした。「今日これから急用が出来て出かける事になったんだけれ
ど一緒に行かないか?」電話の向こうで「うん!行きます」だった。2時間後に待ち
あわせの場所に行って見ると大きな荷物を持って待っていた。
目的の場所はここから1時間くらいの所である。車に乗るなり「お弁当を作って
きたのよ」と云ってニコニコしている。一瞬『ヘーェ、なんて女性らしいんだろ
う、また主婦ってこうなんだ』と感心しきりだ。仕事を済ませると、何処かでその
お弁当を食べるにふさわしい場所はないかと、キョロキョロしながら走っていた時
に、大きな河の土手に差し掛かった。
ここだ、とばかりに土手に決めた、レジャーシートも持って来て、本格的だ、腰
をおろしお弁当の蓋をあけると、サンドイッチ、おにぎり、茹で卵と心を込めて作
ってきたのだろう。
美味しく頂いて、そこの場を引きあげた。帰りの車中で、「さあてと、今日はこ
のまま帰ろうか」と迷いながら段々会社に近づいて来る。結局は仕事優先に二人は
別れた。
思いの丈を残しながら次への充電として、がまんをするのもまた良いかな。
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