「29」
その日,智子が自分の家に帰宅したのは夕方だった。
智子はあの男との情事の痕跡を少しでも洗い流そうと真っ先に浴室へ向かい,熱いシャワーをゆっくりと浴びる。
夫と娘を送り出したあと,朝から夕方まで不倫セックスを続け,結局三度もの膣内射精を許してしまった。
しかもその間に自分も幾度もの絶頂を迎え,これまで知ることの無かった深い女の悦びを知った。
先週あの男にレイプされてからまだ一週間しか経っていない。
大崎に言われた期間はあと二週間である。
その時に自分がいったいどうなってしまっているのか,智子の脳裏には「家庭崩壊」という最悪のシナリオが浮かんでいた。
(もしこんなことがあの人に見つかったら離婚・・)
智子は身体を震わせながら,膣内を入念に洗浄する。
今日は大崎からアフターピルをもらえず,代わりに渡されたのは通常のピルであった。
妊娠が嫌だったら飲んでおけ,と言い放った大崎を智子は思わず睨みつけていた。
つまり今日,あれだけ大量の精液を避妊もせずに受け入れてしまったことになるのだ。
そういえば,大崎が今日の交わりの中で射精しながら「受精させてやる」と小声で何度か言っていたのを思い出し,智子は思わず身震いした。
頭の中で再度,生理周期の確認をしてみる。
(危ない日は過ぎてるけど・・,でも・・)
「妊娠」という二文字が何度も頭の中をよぎる。
夫は「二人目が出来てもいいね」と言ってくれているが,もしあの野蛮な男の精子で受精してしまったら取り返しのつかないことになる・・。
シャワーを終えた智子はリビングに戻っても未だに身体の火照りが残っているのを感じていた。
あの媚薬を初めて飲まされた先週の晩は,何度も自慰行為を繰り返してしまった。
おそらく今晩もまた自分で何度も慰めなくては収まりがつかないであろう。
あるいは夫に久しぶりの交わりを求めることもできるのだが,昼間に浮気してしまった負い目を抱えているため,強い抵抗を感じる。
(うぅっ・・。ああっ・・!)
しかしそんな智子の罪悪感とは裏腹に,膣内では大量の蜜液が溢れかえっていた。
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