「5」
「いい? 例え奥さんの身に何が起こっても絶対に最後まで中には入らないこと。これがあなたたちを助けてあげる条件よ。分かった?」
聡史がこっくりと頷くと裕美はドアノブをまわし,ゆっくりと数センチだけ扉を開けた。部屋の中は日中だというのにカーテンが閉じられているため暗かった。しかし赤い光を放つスタンドライトが一つだけついており,中の様子を確認することができた。八畳ほどの部屋の真ん中には大きなダブルベッドが占有しており,その上では目隠しをされた女が全裸で仰向けになり股を拡げ,その股間には男が顔を埋めていた。男は下着一枚の姿だったが,聡史がまず目を見張ったのは,男の鍛え上げられた巨体であった。先ほど裕美から言われた言葉が真実だったと分かる。何も考えずに怒鳴り込んでいれば,自分の身がどうなっていたか分からない。聡史は裕美の警告に感謝していた。男の年齢は自分と同じぐらいにも思える。その後,聡史はすぐに女のほうへ目を向けた。アイマスクで目隠しをされてはいるが,妻の智子であることは確かなようだった。
(あぁ・・,智子・・。そんな・・)
妻の身体は,はっきりと覚えている。艶があり,品のある茶色にした肩まで伸ばした髪。身長は百六十九センチで,手足が長い。真っ白で張りのある肌は妻の自慢である。智子の趣味が毎日のエクササイズであるため,身体は細身なのに,胸の張りは若いころから全く衰えていない。巨乳というほどではないが,Dカップのボリュームは男を喜ばせるのには十分である。腰回りは細いのに,智子は自分でも気にしているように意外なほど豊満なヒップと太ももを持ち合わせている。それらは全て夫である自分しか知らないはずだった。智子の処女を奪ったのも自分であり,男は自分一人しか知らないはずである。それがまさかこんな形で妻と他人が交わっている様子を見ることになるとは,夢にも思っていなかった。
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