第5話
滝澤が一瞬自分に向けた視線が、まるで肉食動物が獲物を狙うかのように麻衣は感じたのだ。先ほど現れた2人の男も体格が良かったが、この男はさらにガッシリとして、体全体から威圧感を感じる。体の線が細く、生真面目な性格の自分の夫とはまさに対照的であった。年齢は43歳らしいが、その容貌は夫よりも若いのではないかと思える。
「すみません、勝手にお邪魔してしまって・・。どうか、よろしくお願いします」
麻衣がそう答えると、滝澤は真由美の隣に腰掛けた。今は中央のテーブルを囲み、滝澤と真由美、誠と裕子、そして大輔と麻衣がそれぞれペアになって3組のソファに腰掛けている。真由美が隣に座っている滝澤のグラスにワインを注ぐと、滝澤は白いブラウスを大きく突き出している麻衣の胸に目をやりながら、ワインをグッと飲み干した。
それから30分ほど6人で談笑していたが、ふいに誠と裕子がその場を立ち、2人でリビングを出て行った。
「あれ?あの2人どこへ行ったんですか・・?」
少し怪訝に思った麻衣が、隣に座っている大輔に問いかけた。
「たぶん、トイレじゃないかな。すぐ戻ってくるよ」
しかし10分が経過しても2人が戻ってくることは無く、不安に思った麻衣は裕子を探しに行こうとソファから起ち上がった。一瞬フラッとしたが、足元がおぼつかないままリビングを出て行った。麻衣は皆から色々なお酒を勧められ、それらが全て美味しかったこともあり、いつになく酔いが回っていた。
(身体が熱い・・。高いお酒だからって、飲みすぎちゃったみたい・・)
広く長い廊下を進みトイレの前まで来たが、2人の姿は見当たらなかった。しかし、2人の気配を浴室のほうから感じた麻衣は、ゆっくりと歩を進めていった。
「裕子さん・・?」
浴室への扉を開けようとした麻衣は、扉の隙間から見えた光景に目を疑った。そこでは仁王立ちしている誠の前に裕子がひざまづき、激しいフェラチオが繰り広げられていた。ジュブッ、ジュブッという淫猥な音が、麻衣の耳にまで届いてくる。
「あぁ~~。やっぱ奥さんみたいな美人にしゃぶられると、チンポが喜んじゃってしょうがないよ。なあ奥さん、最近、旦那とはどうなんだ?しばらくやってないんだろ・・?」
誠が裕子を見下ろしながら話しかけている。麻衣はそれ以上その場にいることが恐ろしくなり、気づかれないようゆっくり廊下を引き返していった。
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