第4話
「真由美さん、男の人だったなんて・・。私、困ります」
「大丈夫よ。職業だって家庭だってきちんとした人ばかりだから。私が保証するわ」
「か、家庭って・・。もしかして、あの人たち既婚なんですか?」
「そうよ。相手も既婚のほうが安心して遊べるわよ。もちろん、このことは周りの人には言わないから。麻衣さんだって、たまには旦那さん以外の男と喋ってみたほうが、世界が広がっていいと思うけど・・」
麻衣が真由美から説得を受けている間、男たちは今日から新しく参加した人妻に目を奪われていた。
「誠さん。あの身体、すごいですね・・。抱き心地、良さそう・・」
「おい、お前は熟女専門だろ。しかし、確かにいい身体してるよな。顔もおとなしそうな顔していい感じだし。真由美さんが連れてくる女は、いい女ばかりだな・・」
その後、裕子からも説得された麻衣は仕方なくその場に残っていた。しかしいざ、2人の男たちと話し出してみると、麻衣はすぐその場の雰囲気に打ち解けていた。2人の男の名は、誠(まこと)と大輔(だいすけ)と言い、誠が夫と同じ36歳、大輔が自分より1つ上の30歳だった。2人ともこういった場に慣れているのか会話が上手く、清潔感もあり、麻衣は2人に好印象を持っていた。しかも夫以外の男性とこうして会話するのは数年ぶりであったこと、それに夫が出張中であり、飲酒により開放的になっていたことも麻衣にとっては大きかった。年齢も近かった大輔が自分の隣に座り、気さくに話しかけてくると、麻衣も自分のことや夫のことを話していた。その後、30分ほど5人で飲んでいたが、そこへさらに1人の男が現れた。
「遅れてすまないな。なかなか仕事を抜け出せなくて困ったよ」
すぐに真由美がその男を出迎え、寄り添った。
「滝澤さん、お仕事お疲れ様です」
滝澤(たきざわ)というその男は、この部屋の持ち主のようだった。真由美が滝澤の脱いだ上着を受け取ると、それをハンガーにかけ、片付けた。真由美の友人ということだが、初対面の麻衣が見ても、2人の関係を怪しまずにはいられなかった。
「あなたが麻衣さんですね。いやぁ、真由美さんが言ってた通り綺麗ですね。遠慮せず何でも言ってください。この部屋に無いものは、すぐに取り寄せますから」
麻衣は紳士的な言葉を耳にしながらも、滝澤から感じる雰囲気に少しの恐怖を覚えていた。
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