第十六章
「ナンパされちゃいましたね。朋美さんの方ばかり見てましたよ、あの子たち」
「あれ?三月さん、気づいてなかったんですか?三月さんの胸とかお尻を、ちらちら見てたんですよ?とくに右側の子」
_お互い、年下の男の子に声をかけられたことで独身の頃にもどった気分になり、しばし、恋愛話に花が咲いた。
_北欧のたたずまいを見せるワイルドガーデンズも、正午を迎えようとしていた。
_それなのに、日差しを完全にさえぎる分厚い雪雲が低くひろがって、ますます暗くなるばかりだ。
_斜めに吹雪いたかと思えば、空に向かって舞い上がったりもする。
「そろそろ仕事に戻らないと──」
_そう言って朋美さんはかるく会釈をして、清楚な後ろ姿を私に見せた。それを追うように三毛猫のマサムネも、ぽってりとしたお尻をこちらに向けて、廊下の角をまがっていった。
_先ほどの梅澤さんの一件もあり、千石さんが今どのあたりに居るのか確認したかったので、私は二階の209号室に戻ることにしました。
_4時間ぶりに部屋に戻ると、テーブルの上の飲みかけのコーヒーは冷めて、石油ストーブから灯油の臭いがしていた。
_私は換気扇のスイッチを入れた。その次に、ところどころ赤黒く錆び付いたストーブに火をつけて、そこに手をかざした。
_こういう時にこそ、人肌のぬくもりというものが欲しくなる。
_肌と肌が触れ合えば、互いの心臓の音がシンクロして、ぬくもりの先の快楽が欲しくなる。
_肉体のパズルとなった2ピースの男と女が重なり合えば、女は精子の海に溺れて、子宮口が呼吸をはじめる。
_そして、息苦しいほどの快楽の先に、やすらぎが欲しくなる。
_女とは、つくづく欲深いものだと思いながら、私は千石弘和にメールしました。
_──約5分後、千石さんからの返信メールが届いた。
「雪の影響で道路が渋滞しているけど、夕方までには着くと思います」
_実際、この地域一帯には大雪警報が発令されていました。それを見越して、午前中でスキーを切り上げて帰って行く客もいるようでした。
_こんなひどい雪の中、引き返すことも選択肢にはあったはずなのに、それでも私に会いに来てくれる。そして密会の約束が果たされた時、そこに私が求めていたセックスがあるのだと、またもや妄想は飽和しそうになりました。
_気がつけば、私はベッドの上に寝そべり、左手がブラの下の素肌を揉みほぐし、右手は貝割れした陰唇の内側にまでもぐり込んでいました。
_指先につたわるのは、固くなった乳頭の肌触り。それと、すべりの良いローションをまとったような膣口。
ああ……あん……。
_半開きの唇から漏れる声。荒い息づかいに腹筋が上下に揺れる。
_異物を欲しがって、だらしなく緩む膣。私は、ベッドの四隅の支柱部分に目を向けた。天井に向かってそそり立つ支柱の先端が、なめらかに変形している。
_私の膣にはおさまりきらないほど太いその柱にまたがって、ゆっくり腰を沈めていきました。
はぁぁぁ…あぁぁぁ…
入ってくる…
_長い吐息とともに、異物感が膣を貫いていく。溢れる内容物が柱を汚して、体を上下させるたびに、ぬちゃぬちゃと音をたてている。
_その太さが、直腸と下腹部を圧迫して、淫らな肉汁を搾り出す。
_女の悦びを感じる瞬間でした。
_ぎしぎしと、ベッドをきしませながら、肉体の割れ目は何度も支柱を奥深くまで飲み込む。
_真っ白なシーツを変色させていく体液が点々と飛び散って、シミをつくっている。
(千石さん、はやく来て。…私の体はこんなにも男を欲しがって、熟してしまいました。…火照った体が、浮気をしたがっているんです。…あなたが本当に私の思っているような人なら、膣がすり減るほど愛してください)
_そんなことを思いながら、喘ぎ声をふるわせて、迫り来るものを感じていた。
…もうすぐ来る…絶頂が来る
…大きい…すごく大きい
…もっと膨らんで…快感が大きくなって
…下から突き上げて来る…もうダメ
…もう…イク
_子宮が縮むような感覚とともに支柱を抜いたが、そこから離れたくないとでも言うように、ふやけた穴から粘っこい糸をひいている。私はそのままベッドにへたり込んで、力無く横たわった。
_事を終えた自分の股間を手でさぐってみると、渇くことのない女の恥肉が熱をもって、クリトリスに触れれば過敏に腰が浮き上がる。
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