第十四章
「一応、ほかのスタッフに救急車の手配はさせましたけど、この雪でいつ到着するかわからないし。私達でできることをやりましょう」
_庭朋美の指示のもと、私は、ベッドに横たわる女性のズボンのベルトをゆるめて、汚れたそれを脱がせました。その下の黒タイツまで脱がせると、サニタリーショーツが下半身を覆っていました。
──やっぱり生理による貧血なのかしら?
_少し躊躇しながらも、太ももをタオルで拭きながらショーツを下ろしていった。
「──これ、──なに?」
_目の前にあるものを理解できず、そう言うしかなかった。
_水分を吸収しきれず、ふやけたナプキンがショーツに貼り付いていたが、変色は見られない。いや…それよりももっと違和感を感じたのは、彼女の局部でした。
_私にしろ朋美さんにしろ、自分以外の女性の局部をまじまじと見ることは、そうないでしょう。
_その違和感とは──綺麗に剃毛された局部の上のふくらみ。そこには毛穴も見える。そして、局部を覆うように何かが貼り付いている?いいえ、そうじゃなかった。白いものが彼女の体内へ挿入されていました。
_性癖とは、それこそ多種多様だ。私は異物に依存しているし、庭朋美の場合は確証はないがペットに依存しているかも知れない。そして、ベッドの上の彼女もまた性癖によって自分をコントロールできず、欲に飲まれてしまったのでしょうか。
_彼女の膣に埋め込まれていたのは、白いバイブレーター。
「──どうして、──こんなのが?」
_朋美さんは顔色を変えながらも、それを指でつまんで抜こうとした。バイブレーターに絡まる体液のぬめりで指を滑らせながら、ゆっくり引き抜いていく。充血した紅いひだが外側にのびる様子が見える。
_その生々しい光景に誘発されて思い出したのは、分娩台の上で産気づいた自分自身の姿でした。
_ようやくバイブレーターが引き抜かれると、その先端は糸をひいて陰唇とつながり、膣からは大量のおりもののような体液が、どろっと流れ出した。やっぱり出血は見られない。
_お互い、なにも言葉が出なかった。無言のまま彼女の体を濡れタオルできれいに拭いて、下だけ着替えさせました。意識はあるようだが、ひどく疲れているような表情でうなされている。
──数分後。
_ベッドの上の女性が薄目を開き、天井を見たあと、私たち2人を交互に見た。
「──あの、──すいませんでした」
_そう言いながら上半身を起こそうとする彼女の肩を、私の手で支えた。
「どこか、痛いところはありませんか?」
_朋美さんが、彼女の不安そうな顔をのぞき込む。
「──いえ、大丈夫です。──それより私、──私、梅澤といいます」
_梅澤と名乗る女性は私よりも年上なのは確かだが、なんというか、昭和生まれというよりは平成の顔立ちだ。ハーフっぽさも要素に入っていて、かなりの美人といえる。
_そんな彼女がどうして?──というのが正直な気持ちでした。
_梅澤さんの口が動いた。
「──ご迷惑おかけしました。──こんなはずじゃなかったんです。──この歳になってまで、こんなこと──」
「倒れた時はどうなるかと思いましたけど、怪我もなさそうで良かったです」
と、気丈に言葉を返す朋美さん。そして少し間を空けて、目を伏せたまま梅澤さんはつぶやいた。
「──私の話、──聞いてください。実は──」
_彼女の話は、こうだ。
_梅澤さんは誰かに呼ばれて、ここへやってきた。その人とどういう関係なのかは言えないが、すでに別館のスクエアガーデンズに部屋がとってあった。部屋に入ると、テーブルの上にラッピングされた箱型のものが置かれている。これはどうやらサプライズの演出のようだと思ったらしい。そこへタイミング良くメールが来たもんだから、いよいよ期待に胸がふくらんだ。
_メールには「それを着けて本館のワイルドガーデンズに来て欲しい」と書かれていた。箱の中身を確かめると、先ほどの白いバイブレーターが入っていたそうです。経験豊富な熟女を満足させるには十分すぎる大きさ。
_ショーツに生理用品をあてて、男性器を思わせる玩具を膣の奥へ深々と挿し込む。
_誰にも知られてはいけない。スリルと紙一重の快感があった。
_梅澤さんは平静を装って、別館から本館へと移動した。その途中、何者かによって遠隔操作されたバイブレーターが凶器となって、膣内を乱暴にかき混ぜた。
_オンの状態では立っていることもできず、その場にしゃがみ込み、オフの時にはかろうじて歩ける状態だった。
_本館に着くころには、経血とはちがう水分を吸ったナプキンは、ずしりと重くなっていた。
_なんとか食堂の椅子に腰掛けて、ほっとしたのも束の間。ふたたび、子宮に近い膣奥を振動が襲って、性的ストレスが体中をめぐったあと、そこからの記憶があまりないそうです。
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