今日は定休日
夜は他の二人と飲みに行く約束をしている
大きなミスも無く一ヵ月が過ぎてくれた
今ではすっかり慣れて、お客さんにも余裕を持って接する事が出来るようになった
お店は意外と言ったら失礼だが結構賑わってる
リピーターも多い
お昼は満席は当たり前
夜は分からないので、今日の飲み会で聞いてみよう
19歳の真紀ちゃんは目がクリクリで可愛い
その可愛らしい顔で、身長が170㎝もあるのでモデルでも通用しそうだ
21歳の菜那ちゃんは愛らしい垂れ目で、メイクで更にその垂れ目を強調してるようだ
例えるなら、フジの平井アナのような感じだ
狭い個室で一緒に飲んだら気後れするかと思ったが、実際はそうでもなかった
二人とものんびりした性格のようで、美人特有の自信満々な様子は無い
話も合うし、楽しい時間を過ごせてる
二時間を過ぎた頃、ほんのり赤くなった顔で真紀ちゃんが細い指で氷を突きながら話しだした
『何か……お客さんに聞いたんだけどね…
お店が混んでるのは私達のお陰もあるらしいよ…』
『うん…私も聞いた』
菜那ちゃんもうんうんと頷きながら照れ臭そうに答えた
『えっ?何で?』
私は二人の顔を交互に見ながら聞いた
『聞いた話だからね!
私達……相当可愛いらしいよ…』
菜那ちゃんが顔を真っ赤にして言う
『何そんなに照れてるの? 二人とも可愛いもん、当たり前でしょ?』
私は本当に不思議な気持ちで聞いていた
この二人は毎日鏡を見て、自分の可愛さを知ってる筈なのに
ビールのおかわりを頼もうとした時、菜那ちゃんがニコッとしながら
『夏美さんもすごい人気ですよ! 夜のお客さんが名前聞いてきたり、あの人夜は働かないの?って何度か聞かれましたもん』
『勝手にミムラさんって呼んでるおじさんもいますから』
真紀ちゃんが楽しそうに言った
確かに何度かミムラに似てるとは言われた事はあるが、お客さんにそんな風に見られてたのかと思うと
身体が急に熱くなるような感覚に襲われた
お酒のせいだけではない、何か心地好い感じだった
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