顔合わせの日の朝、いつもより早く目が覚めた
やはり緊張のせいもあるのだろうか
夫、息子の順に送り出しメイクを始めた途端、期待よりも不安が大きくなってる自分に気付いた
不安の小さな種を頭の中で探してみる
何がそんなに不安?
しかし、そんなに簡単に見付かる筈もなく時間は来てしまった
歩いて行ける距離に自分の働く所があるのは恵まれてると思う
…………………!
その時、不安の種が頭の中ではっきりと大きくなったのが分かった
ウェイトレス姿の私が見られてしまう
ご近所の方達、息子の友達のお父さんやお母さん、私の友達………
自分がウェイトレスになりたい一心で、それらの事はすっかり飛んでいた
息子の友達の家の前を横目に通り過ぎた先に、これから私が働くレストランが見えてきた
急に胸が苦しくドキドキしてくる
お店のドアを開ける
綺麗な鈴のような音で少し癒された
その瞬間、もう一つの不安の正体が目の前に
昼と夜の交代制なので私の他に二人ウェイトレスがいるが、募集年齢ギリギリな感じだった
もちろん私とは逆のギリギリ
頭がクラクラした
軽い自己紹介で分かったのだが一人が19歳、もう一人が21歳 私は30歳
二人ともすごく華奢で可愛らしい
こんな繁華街でもないお店で、よくこんなに可愛い子が揃ったものだ
そのくらい可愛らしい
私も子供を産んでからも、自己流のストレッチとマッサージを毎日欠かさずスタイルは維持しているが、10歳も離れてる子は違うと思った
華奢の質が違う
恥ずかしさで顔が紅潮してるのが分かった
そんな状況でお店で着る服を渡された
これを着て私は此処で働くの?
目の前で拡げて愕然とした
これでもかというくらいタイトな白いブラウスと黒いスカート
黒いリボンにスカートの前に付ける綺麗なレースのエプロン
私は更に紅潮した顔をやや上目遣い気味に上げた時に、一番奥の椅子に座って不敵な笑みを浮かべながら私を見てるオーナーの姿が目に入った気がした
他の可愛い二人ではなく私を……
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