寝室へ着替えに行く私に真里がついてきた。
『佳ちゃん…ごめん。杏樹姉ぇ、また旦那さんと喧嘩したみたい…』
『またかぁ?』
『しばらく、ここに住まわせてって…』
『なんで実家に帰らないの?』
『うん…子供の事もあるし…、実家は熊本でしょ…』
『べつに僕は大丈夫だからいいけど…』
その夜には杏樹姉さんの旦那さんから私に電話があった。
今回の喧嘩は、かなり深いらしく、しばらく妻を預かってくれと低調にお願いしてきた。
生活費を送金すると言ってきたが断った。
貧乏人のプライドと、もしも杏樹姉さんが離婚したら医者の旦那は完全に他人になるからだ。
久しぶりの来客を交えての楽しい夕食だった。
『佳祐さん…ごめんね♪』
『いえいえ…こちらは、いつまでも大丈夫ですから…』
『真里ちんっ…わたしが買ってきたワイン持ってきて♪』
『ほ~い♪』
(大丈夫なんて言わなければよかった!)
(居候のくせ、早速…妹をアゴで使ってる…)
『あの…なんで杏樹姉さんは、真里ちんって呼ぶの?』
『あぁ…真里は小さな時から男の子みたいに、やんちゃだったの…』
『それで、男の子みたいに、ちんちんが付いてるでしょ?って、からかってるうちにアダナが真里ちんになったの♪』
(なんか女姉妹も怖いなぁ…)
食事が終わる頃に、真里が伝えた。
『杏樹姉ぇ…お風呂いいよ♪明日からは食事の前に沸かしとくね♪』
『ありがとう、真里ちん♪』
(おいおい…1番風呂は一家のあるじからどうぞ…も言えねぇのか!)
杏樹の居ないリビングで夫婦コソコソと会話する。
『お前…よく、あんな姉さんを好きで居られるな?』
『うんっ…杏樹姉ぇは、本当は優しいんだ…』
『わたしが小さい頃…』
真里が小学生の頃、身体が小さい事を男子に、からかわれていたのを、姉である杏樹が助けていた。
しかも杏樹は、したたかで腕力で勝てない男子には、自分に惚れてる他の男子達にお願いして仕返しをしていた。
(なんて…強えぇ…姉ちゃん…)
そんな姉妹の話しを聞いていた時に杏樹が戻ってきた。
(ぶっ!なんだ…その格好!)
口に含んだワインを吹き出さないのに精一杯だった。
胸元が大きく開いてたパジャマ?ネグリジェ?下着?…私には表現が出来ない。
生地1枚では完全に透けて見えるが…重ねて着てる事でギリギリ見えない。
さすがの真里も怒った
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