朝、目が覚めた拓也が驚く!
『桐山!お前…いつから、そこに居たんだ?』
一晩中…拓也の隣に座り寝姿を眺めていた桐山だった。
拓也と桐山は、特別…会話もなく2人で出社した。
拓也にとって、うんざりな彼女達の居るマンションに帰るより桐山との外泊が楽に感じている…。
同時に桐山は拓也に恋心が芽生え始めていた。
慌ただしい課内で、平井課長が拓也を呼ぶ。
『吉川、数字に裏付けがない!桐山に確認させろっ』
拓也は書類をデスクで整理してパソコンからプリントアウトした紙と一緒に桐山に渡す。
『ごめん桐山…さっきの課長…聞いてたろ?仕事増やして…』
桐山は、いつものように無表情で書類を受け取る。
書類を精査する桐山の顔が…一気に赤面し出した…。
『愛する香織ちゃんへ♪仕事終わったら…美味しいモツ鍋の店、見つけたから行こう♪場所は…』
桐山は拓也からのメッセージの紙を折りたたみ…バックへ入れた。
(愛する…なんて簡単に言わないでよ…)
拓也と桐山は2人モツ鍋屋で鍋を囲む。
さすがの桐山も拓也への質問が、たくさん溜まっていたようだ。
『吉川さんみたいな方が、なんで…わたしを誘うの?』
『桐山と居ると落ち着くんだ!』
『秘書課にも吉川のファンはたくさん居たでしょ?』
『知らない…』
『バレンタインの時の、一覧表は見てないの?』
『見たよ♪桐山がキチンと俺の為に一覧表を作ってくれた事を…』
『桐山に感謝した後に、一覧表は捨てた…』
桐山は拓也に惚れていけば…いくほど怖かった。
拓也に、たくさんの美人女性が捨てられていくのを知っていたから…。
そんな不安の中に追い討ちの言葉が来る。
『桐山!ごめんけど…今日も朝まで付き合ってくれ!』
惚れた弱みなのか…桐山は拓也とラブホテルに居る。
シャワーを浴びた桐山がバスローブ姿で戻ると吉川拓也は起きていた。
上半身裸で…。
『桐山…今日はベットで寝てくれよ』
『…うん』
拓也は気付いてなかった。
初めての桐山の返事の声に…。
拓也が寝ようとした時に背中を向けてブルブルと震えてる桐山に気づく。
『お前…大丈夫か?体調悪いか?』
『ううんっ…大丈夫だから…』
拓也は緊張している桐山を、いつもの…彼女を抱くようにして抱き締めて寝た…。
桐山の緊張は異常な程…身体の震えに出ていく…
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