『だったら、このチョコ全部貰ってくれよ!』
『アナタみたいな最低な人が1番嫌いです!』
『いいからチョコだけは…桐山が食べろよ…』
そう言って拓也は桐山が降りる5つ前の駅で、紙袋を残し降りて行った。
翌朝…拓也が出社したデスクの上に小さな紙袋が置いてあった。
桐山が深夜に渡るまでプレゼントからメッセージカードを抜いて入れてある。
キチンと一覧表を作成してあり、誰が、どのようなチョコなどデータも書いてある。
袋の中に6個程のチョコも…。
一覧表の最後に桐山からのメッセージがあった。
~アナタみないな最低な男の為に協力した自分が嫌いです。
メッセージカードの右上にNo.を入れてます。
一覧表とご確認下さい。
あと…袋に入ってるチョコは手作りでしたのでアナタがちゃんと食べて下さい。~
拓也は、そのまま…袋ごとゴミ箱に捨てた。
それから数週間後に拓也は、駅で桐山を見つけた。
『あの時は、ありがとう♪』
桐山は無視。
『俺…マンションに帰っても1人で寂しいから…一緒に飯でも食べて帰らないか?』
本当はマンションに彼女が押し掛けてるのがウザくて帰りたくなかったのだ。
しかし拓也の『1人で寂しい』に桐山は反応していた。
『桐山、次の街に美味しい店、知ってるから行こう』
駅につくと拓也は桐山の返事も聞かずに手を引っ張って降りる。
拓也は食事をしながらノーテンキに桐山に話し掛ける。
桐山にとって…上京して初めての他人と2人での食事だった。
桐山にとって素敵な時間に変わった。
この日の拓也は、彼女に会いたくなかっただけだ。
浮気が数件バレた直後だったから…。
桐山は急激に拓也に惹かれていくが…相手は社内の人気スター。
『桐山…マジで何もしないから朝まで付き合ってくれないか?』
この時…桐山には意味が分からなかった。
そのまま…2人で歩いて着いた所がラブホテル。
桐山も急激に拓也に恋心を抱いたのか…すんなりと部屋に入る。
緊張してシャワーから戻る桐山の目には…。
拓也がベットでグーグー寝てる姿。
(あはっ…わたし…何を期待してたんだろ…)
桐山は拓也の寝姿を一晩中…眺めていた。
(吉川さんって…女に産まれても美人な顔だな…)
(わたしと別世界の人なんだ…)
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