誰にも言えない、美しき性癖②
夫も知らない、空白の時間に行われる、火照った体を持て余した妻達の秘め事。
遥か昔、アダムとイブの時代から、自らの性欲を満たす為にイブは、来る日も来る日も密かに自慰行為に耽っていたという説があったとしたら、「性」への目覚めが早く、自慰行為を好んでいるのは、男子ではなく女子のほうである事に矛盾はないのです。
マナーモードにしたままの携帯電話は、メールの着信を知らせるイルミネーションを、きらきらと七色に点滅させている。
低めの温度に設定した暖房と、加湿器のスチームで暖められた空気が、さおりの素肌にまとわりつき、醒めない興奮状態の中、パウダースノーのきめ細かな肌触りであったはずの全身が、じんわり汗ばんでいる。
切なげな微笑にも見える表情で、潤った裸の秘部を愛おしく指で弄びはじめた。
一瞬、びくんと体が反応して、電流のようなものが流線型の背筋を走り抜け、濡れた性感帯はとろけるほど発熱している。
「あそこが…じんじんする…」
さおりの、声にならない声。
バスタオルの上で控えめに開かれたナマ足、熟れた太ももの間に腕を挟み込んだスタイルで、めしべから滲み出る恥ずかしい粘液に指をすべらせては、膨らみかけたクリトリスをぬるりといじくり、ふくよかな陰唇からはみ出した花びらさえも色鮮やかに、指に密着してぴちゃぴちゃ音をたて、狂おしいほどのオナニーの快感に自分を見失いそうになるのでした。
明らかに紅潮した性器を鏡の前に露出させ、幾重にも折り重なったひだの一枚一枚がほどけていくのは、春の日差しを待ちきれなかった桃色の蕾が開花する様子とリンクする。
二重まぶたからくるりと伸びる長いまつ毛の裏の瞳が見つめる先は、ふやけた膣口と、それを責め立てる薬指の結婚指輪。
そして…ついに…ジェル状の愛液が絡み合った艶めく指を体の中へ忍び込ませて、その第一関節を、更には第二関節さえも飲み込んで、きゅっと下唇を噛んだまま指の根元まで押し込んでしまうと、鋭い快感が膣を襲った。
…妄想が飽和していく。
「奥さん、ここが気持ちいいんだね?」
いつもと様子の違う顔見知りの彼らは、女性が生涯まもらなければならない、愛おしく尊い部分を、男性器のような太い指で執拗に掻き回します。
「そこは…ダメ…です…触らない…でく…ださい」
「こんなに濡らして、奥さんの下のお口は行儀がわるいなぁ」
「お願い…許してください…私…ダメになっちゃう」
身動きがとれず無抵抗な全裸の私、無抵抗な全裸の性器、もはや彼らのおもちゃとなって、好奇心と性欲が枯れるまで遊び尽くされることでしょう。
紳士的な指使いで挿されては抜く、挿されては抜く、みちゃみちゃと湿った音をたてる膣、遠のく意識をなんとか手繰り寄せながら、彼らの質問責めにあう私。
「奥さんはオナニーした事あるよね?」
「…知りません」
「ちゃんと答えてくれたら、この指、抜きますよ」
私の体内の奥行きを確かめるかのような指の動きに、心が折れていく。
「…あります」
「ちゃんと答えてみて?」
「…オナニー…してます」
自分が言った言葉の恥ずかしさに胸が高鳴り、興奮を隠せない。
「こんな素敵な奥さんがオナニーしてるなんて、みんなに教えてあげなきゃいけないね」
「そんなのダメです…はやく…指を抜いてください」
私の言葉に彼は、あっさり指を抜いたかと思うと、私の薬指から結婚指輪を抜き取り、そのまま膣の中へ挿入させて指で転がしはじめました。
「奥さんのお腹の中に、大切な指輪が入っちゃいましたね」
「それは…私の…」
「まだ答えてもらってない事がありますよ。オナニーは毎日してるの?」
「…それは」
「素直じゃないと、指輪の事、ご主人に言いますよ」
「え…あの…週に…二回…」
「へ~、奥さんみたいな人が、週に二回も」
快感の波が押し寄せる波打ち際で、いじわるな質問が続く。
※元投稿はこちら >>