(続き………)
* ……妻がキッチンからオードブルを持って、リビングにやって来ると、
「遅いですよ奥さん、さぁこっちこっち」
「はい、はい、じゃ失礼しますわ」
妻は、当然のように次長の隣に座りました。
「じゃあ、カンパ~イ!」
上機嫌の次長の発声で二次会が始まりました。
皆さんはご承知の通り、妻は勿論、私以外は相当に行ける口でした。
それぞれがワインやビール、ウイスキーに至ってはロックで呑んでいました。
……「どうだね青山君?中々美人の奥さんだろう?」
またも、次長が眞澄へのリップサービスをし始めました。
「えぇ、吉野さんからいろいろと聞いていましたが、私の想像以上に魅力的な方
ですねぇ」
「あら、青山さんまで随分とお口がお上手ですのね」
「奥さんねぇ、この青山君はこう見えて中々の遊び人なんだよ、このクールさが
いいのか、東京時代はかなり女性ファンが多くてね…」
「やめてくださいよ吉野さん、またそうやってある事、ない事…」
「あら、そうですの…ハンサムですものねぇ分かるわ、ほら俳優の椎名何とかさ
んているでしょう、あの方に似てるわよ」
「…椎名…椎名桔平ですか、似てる似てる、青山さん似てますよ」
西川が口を挟みました。
「止めてくださいよ、そんなの言われた事ないですよ…」
「しかし奥さん、今日もまた素敵なストッキングを履いてますねぇ」
その光沢の強い黒ストッキングをしげしげと眺めながら言いました。
「ありがとうございます、嬉しいですわ」
「こういうのあんまり見ないよねぇ、高そうで、こうスベスベしてて…このムッ
チリとした脚には最高に似合ってるよねぇ…」
次長は、すかさず妻の黒光りした太腿に手を伸ばし、丹念に撫で回していまし
た。
妻はその手を全く嫌がるそぶりも見せずに、さらに次長の方に体を寄せまし
た。
「どう青山君?君もそう思うだろう?この奥さんの脚、中々魅力的だろう?」
この時、青山氏の視線ははっきりと妻の下半身に注がれていました。
「えっ…えぇ、まぁ…」
青山氏は口ごもりながらも、その視線はしっかりと次長の手が置かれた妻のムッ
チリとした太腿に釘付けになっているようでした。
……妻は、青山氏のその視線を確認すると、今度はおもむろに両脚を組み始めた
のです。
ただでさえ膝上丈のタイトスカートが、さらに大きく捲れあがり、もうはち切れ
んばかりのムチムチの黒光りした太腿が、青山氏の目の前に曝け出されたので
した。
「ほう…また大胆な…何だ、青山君を挑発でもしてるのか?」
この時には、右手をしっかりと妻の肩に回し、左手をしっかりと妻の太腿の上に
置き、何度も何度も撫で回していたのです。
……「またまたぁ、次長、課長が居るんだからもういい加減にしてくださいよ」
西川が、次長の行為を制するように口を挟みました。
「何だ、西川君、余計な事を言うもんじゃないよ」
次長は、ややムッとして逆に西川を制しました。
「いいじゃないか、こんな事くらいは…酒の席での無礼講なんだよ、…それに城
之内君はねぇこんな事を気にするような小さな男じゃあないんだ、ねぇ…?」
次長は、その邪悪な目を送って来ましたが、私はテレビの方に目をやり、視線を
合わせようとはしませんでした。
却って、今日はどんな事を仕掛けてくるのか、開き直って受け入れる気分だった
のです。
「青山君、何だか羨ましそうな顔をしているねぇ…だが、ダメだよ、これは私の
特権なんだから、ねぇ、奥さん?」
「あら、そうですの?…」
妻は、一層次長の方にしなだれかかり、依然として平気で太腿を触らせながら、
その視線をいたずらっぽく青山氏に向けていました。
……「おや、いいモノがあるじゃないか」
次長が、リビングの隅にあったカラオケセットに目をやりました。
「たまに近所の奥さん仲間とカラオケ大会をやるんですのよ」
「そうか、ここは一つスナック気分で歌でも始めようか」
……「トップバッターは、西川君、ほら若い者から先に行きなさい」
西川が、次長に促されて、「2億4千万の瞳」を歌い出し、カラオケ大会が始まり
ました。
青山氏が、福山の「桜坂」、次長が「いとしのエリー」の替歌で、エリーの部分
を眞澄に変えて、いかにもこの男らしいベタな選曲でした。
私は、そんな気分ではなかったので、歌はあまり得意ではないと断り、次は妻の
番でした。
「何にしようかしら……」
「奥さん、パアッとど派手な曲やんなさいよ」
「そうねぇ……じゃあ、山本リンダの「どうにもとまらない」なんてどうかし
ら?」
「おぉっいいねぇ!色っぽい奥さんにピッタリだ」
……曲のイントロが流れ出すと、妻はマイクを握り立ち上がり、リビングの中央
に向かいました……飲み始めてからもう1時間余り、この頃には妻も相当酔って
いたのでしょう、イントロから体をくねらせ、山本リンダまがいの振りを付けて
歌い出していたのです。
……体をくねらせる度に、その巨きなバストがユサユサと揺れ、投げキッスをし
たりウインクをしたり、曲と曲の間では次長や青山氏の方に向けて、スカートを
太腿まで捲り上げて見せたりと、もうかなりの悪ノリをしていました。
その度に、次長や西川の嬌声が上がっていましたが、何故か青山氏はじっと腕を
組んで、妻の豊満な肉体を凝視しているようでした。
……自分の女房の度を越した破廉恥な歌いっぷりに、私はもう怒りを通り越して
呆れ返っていました。
……曲が終わり、妻がソファに戻ると、二人はやんややんやの喝采です。
「いやぁ素晴らしい!最高、最高、リンダ顔負けの抜群のパフォーマンスだ
よ!」
「僕もすっかり興奮しちゃいましたよ!ねぇ奥さん、もう1曲やってください
よ、次は…「狙い撃ち」なんかどうですか?」
「え~っ、もう1曲?私、もう今ので疲れちゃったわ…何だか酔いが回ってフラフ
ラだわ…」
「西川君、もういいだろう…奥さん、次は私とデュエットでもしましょうや…
「居酒屋」なんかどうかね?」
「えぇ、いいわよ」
二人は、手を取り合って席を立ちました。
……そうして、曲が始まると、二人はビッタリと体をくっつけ合い、体どころか
頬をくっつけ、いちゃつきあっていました。
……私は、もう見ちゃいられない気分で、途中からはもう寝た振りを決め込む事
にしました…邪悪な次長の事ですから、これで終わる筈もなく、この後も何か仕
掛けてくるに違いありません……私は、開き直りその場で寝た振りをして、その
様子をしっかりと確認してやる事に決めたのです。
……「居酒屋」が終わりました……
「おっ何だ、城之内君は寝てしまったのかい、だらしがないねぇ…」
「本当、この人ったらだらしがないんですのよ、アルコールがからっきしダメ
で、もうすぐに寝ちゃうんですから…」
「まぁ、いいだろう、さっ次はチークタイムと行こうか…青山君、君最初に踊れ
よ」
「えっ?いいんですか吉野さん…」
「あぁ、いいよ、君さっきから欲求不満だろう?奥さんにたっぷり相手してもら
いなさい」
「…はぁ…」
「さっ青山さん、いらして、ほらっ…」
妻に促されて、青山氏が席を立ちました。
「照明は暗くした方がムードが出るだろう」
部屋の照明が消され、豆になり部屋全体が薄暗く妖しい雰囲気になりました。
妻と青山氏は、奥の和室の方に移りチークダンスを始めました。
部屋には、「メリージェーン」が流れ出しました…
私は、寝たふりをしながらも、奥の部屋の方に目をやると、二人は少し体の間隔
を取り、手を取り合ってはいるものの、それはいたって普通のチークダンスの光
景で、この青山氏と次長とはやはり違うんだなぁと思い、少しばかりホッとして
いました……
……そうして、曲の1番が終わり、イントロが流れていた時でした。
「あっちゃあ…青山さんまで…」
「ほ~お、中々やるじゃないか、青山君も…」
……その声に促され、薄目を開け再び奥の部屋に目をやると…
何と…!妻の赤いスカートが腰まで捲り上げられ、薄暗い照明の中でたっぷりと
肉の付いた巨きな黒光りしたお尻とその巨尻にしっかりと手を当てた青山氏の
両手がこちらに向けられていたのです!
……「あらっ悪い手ねぇ…イケメンさんがこんな事しますの?…」
「さっきから随分と見せ付けられちゃってますからねぇ…いけませんか?…」
「…あなた、さっきからずっと私の事見てらしたものねぇ…いいわよ…ウフフッ
……」
(続く………)
私は、
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